木曜日はすごい女性の生き方から学んで若返る宇野千代『生きて行く私』
明治、大正、昭和、平成と生き抜いてきた女流作家の自伝。恋多き、波乱万丈の人生に圧倒される。 |
裕福な造り酒屋の家に生まれ、13歳で嫁入りしたり、男装の麗人と友達になったり、父の死後は小学校の教員になるもスキャンダルを起こして辞めたり、海外に渡ったり、男を好きになってはその家に転がりこんだり。まさに波乱万丈の人生。
宇野千代が面白いのは、いくつになっても守りに入らないところ。例えば85歳の誕生日に、米寿になったら派手にお祝いしようと思いたちます。そのとき、なんと桜吹雪の柄の大振袖を着ようというのです。
振袖は未婚の女性の盛装。しかも彼女の誕生日は11月。まったく桜の季節ではありません。でも着る。だって好きだから。なんて潔いのでしょう。
私には年齢と言う意識がなかった。若いとか、年をとっているとか言う意識がなかった。
こんな境地に達せたらいいなあと思います。
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タイトル:『生きて行く私』
出版社:中央公論社
著者:宇野千代
価格:900円(税込)
金曜日は年齢から自由になれる本をどうぞ。