一見、無関係に見えた女と男の事故死。だが、その背景には・・・人気脚本家・エッセイストでもある著者による長編小説 『四つの嘘』 ・大石静(著) ・価格:1680円(税込) この本を買いたい! |
■一人の女性と一人の男性の異国での死。その死が、十代の季節をともに過ごした女性たちの人生を再び交錯させる・・・
『ふたりっ子』、『長男の嫁』、『オードリー』など人気テレビドラマの脚本を手がけ、『わたしってブスだったの?』などエッセイでも高い評価を得る著者。最新の小説は、女の怖さや、残酷さ、哀しさ、そして、強さを描ききった渾身作。
ひとりの女がニューヨークで事故死。同じ事故で、日本人外交官の男性も死亡。警察は、二人の間に何の関係も見出せなかったが、日本でそのニュースを聞いた四十路を迎えた主婦・満希子は、その女性・美波の死の意味が、わかりすぎるほど、わかった。そして、満希子から、そのニュースを聞かされた、かつての外交官の妻・詩文も、医師として仕事に生きているネリも・・・。
三人の女性の思いは、彼女たちと美波、そして、男が出会った十代の季節に遡っていく。美しく、活発で、誰しもが彼女の華やかな未来を想像していた満希子。弟の家庭教師であった男に恋をしていた美波。そして、淫奔な魅力で、美波から男を奪った詩文、彼女らとは異なる未来を獲得するため、ひ医学部受験に邁進していたネリ。
そして、時が過ぎ、満希子は、華やかさと無縁な主婦になり、男と別れた詩文は、淫乱に生きざるを得ない人生を生き、ネリは、性を封印して仕事に生きる人生を選び、美波は、人知れず、壮絶な形で初恋を全うする。
そして、美波のその死が、別々に生きてきた三人の人生を再び、交錯させ、その日々を変えていくのだった・・・。
十代の頃、女子高という、ある意味、閉じられた環境の中でともに日々を過ごし、四十路を迎えた女性たちの「現在」と「過去」を交錯するという構成になっている同作。
何より、私が、興味を感じたのは、四十路になった彼女たちの心のうちに、十代の頃の自分が、あまりに生々しい形で息づいていることだ。このあたりに、著者独特のリアリティーがあるのではないだろうか。