『果てしなき渇き』
第3回「このミス!大賞」受賞作。父そして、少年。一人の少女をめぐる男たちの闇を描く正統派ノワール・ノベル

『果てしなき渇き』
・深町秋生(著)
・価格:1680円(税込)

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■失踪した娘の行方を追う元・刑事。いじめにあった少年。3年の年月を隔てた二つの物語が出会うとき・・・

 前回紹介した『サウスポー・キラー』と同様、第三回「このミス!大賞」を受賞した作品。

 さて、物語は・・・。
 
 妻の浮気相手を殴り、刑事をやめるはめになった藤島康弘。
妻子と別れ、警備員として抗不安剤を頼りに暗澹たる日を送っている彼は、ある時、凄惨きわまるコンビニ強盗殺人事件の第一発見者となる。悪夢に苦しめられ、それから逃れるように事件のことを調べ始める藤島だが、そんな彼にもとに、元・妻から娘・加奈子が失踪したという連絡が入る。
 「警察には届けられない」という元・妻。かつて住んでいた家に駆けつけた藤島は、加奈子の部屋で、あまりに意外で衝撃的なものを発見する。覚醒剤――成績優秀で一流大学を目指して勉学に励んでいたはずの加奈子にいったい何が起こっていたのか。
 娘のことを何一つ知らなかったことを改めて思い知らされた藤島は、妻子とともにやり直したいという強い欲求に駆られる。そして、単独で、加奈子の行方を追いはじめる。
 加奈子を取り巻いていた黒い関係が次第に明らかになっていくにつれ、闇を封印していた心のたがが外れていく藤島。その足跡を追う物語に、三年前のある少年の物語が絡む。
 中学でいじめに遭っていた少年・瀬岡尚人は、加奈子に救われ、彼女を崇めるようになる。そして、自殺をした同級生・緒方に加奈子が心を寄せていたのを知り、緒方のようになりたいと願う。緒方も加奈子も、名うての不良グループ「アポカリプス」とつながりがあったことを知った尚人は、加奈子に誘われ、その集会へと赴く。そこで彼が見たものとは?