『ゲーム理論トレーニング』

逢沢 明 かんき出版 1600円
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■仕事も、恋愛も、企業間の競争も、国際政治も、「ゲーム」!?

「仕事はゲームだ」と言い切る後輩や部下がいたとしよう。あなたはどう思いますか?うん、確かにそうかもしれない。そういう側面もあるでしょう。とりあえず、納得したとしよう。だが、「人生はゲームだ」と言われると、どうだろう。
恋こちらも、起りうる事由一つ一つが「すべて勝ち負けのあるゲームだ」と言われてみれば、現象的には確かにそうかも知れない。だが、お腹のそこからすっきり「そうだよね」と言える人は、これを読んでくださっている方の中でどれくらいいらっしゃるだろうか。

日本人は、というべきか、少なくともある世代より前の日本人は、策略をめぐらせて「勝ち」を手に入れることに対して、なにがしらの抵抗感があるように思える。そのあたりが、国際社会での「かけひき」「交渉」ベタぶりの根底にはあるのかもしれない。

かくいう私も、本屋で、『絶対勝てる○○術』『この方法で○○戦に勝つ』などというタイトルを見ると、「計算尽く」の匂いがしてくるようで、素通りしてしまうのだが・・・

本書は、ある意味、そのような書籍群より、強烈な一冊である。
企業間の競争も、投資も、恋愛も、政治も、世界情勢も、経済も、ゲームだといういう原則のもとに書かれているのだから。

すっかり前置きが長くなってしまったが、本書は、問題集形式で「ゲーム理論」のエッセンスを知り、「策略を弄して勝つのは卑怯なこと」という「非・ゲーム理論」を「策略を駆使して相手に勝つ」ゲーム頭脳に変え目的で書かれた本である。
例えば・・・
「あなたは、A社の株を1株1万円で買っていたとする。過去の最高額は2万円。その後、最安値が400円になったことがあった。現在は、1株700円。あなたは売る?それとも?」
とこんな具合。

中には、正解がないものもあるが、大半は、「得策」が明示される。特筆すべきは、その問題が、ジャンケンの勝ち方や子供の他愛ない口論から、恋愛、投資、企業の派閥争い、果ては、核戦争の回避方法にまで、多岐にわたっていることである。それらが、すべて、ゲーム理論で何らかの解答が引き出せるというのだ。
「強烈な本」と書いた理由はそこにある。

ちなみに、先に掲げた問題に、「売る」と答えた人は、ゲーム理論に向いているらしい。そのココロは、本書を読んでいただくとして、そこまでの汎用性を謳われている「ゲーム理論」とはいかなるものなのか。