落語/落語関連情報

新作落語集団「せめ達磨」を見逃すな!(2ページ目)

古今亭今輔、春風亭栄助、林家きく麿、三遊亭天どん、立川らく里、三遊亭ぬう生という個性豊かな、新進気鋭の新作落語家集団。今後の落語界をいや、日本の笑いを変える彼らに注目です!

執筆者:清水 篤司

狂の鉄板落語家、林家きく麿

おっとりした風貌ながら、その高座はかなり激しく、動きでも楽しませてくれます
古典に新作落語、パントマイムにジャグリングまでと一人で寄席が出来ちゃうくらい多芸の持ち主。独自のスタイルが目立つ「せめ達磨」メンバーの中で、落語家(もしくは芸人)として最もバランスがとれた噺家さんです。

それゆえ、寄席、地方の落語会、新作落語会とどの高座でもキッチリこなす姿は正に鉄板落語家。どこに行っても、どこで演じても観客を沸かします。これは、人気者である師匠・林家木久蔵(現・木久扇)の影響が強いのかもしれません。

しかし、湧いている高座を冷静にいつも見つめている目には、何か物足りなさが見え隠れします(あんなに受けてるのに)。なんだか狂を抑えている。1,2年後の真打昇進後はその狂を全開させ、とんでもなく化けている予感がします。その化ける、瞬間をお見逃しなく!

挑戦的な落語、三遊亭天どん

いつもなんだか、やる気のなさそうに高座に上がるが、いざ落語に入るととんでもないテンションで会場を引っ張ります
いきなり個人的な感想で申し訳ありませんが、三遊亭天どんを見るといつも作家の芥川龍之介を連想します。風貌もさることながら、やる気のなさそうに高座に上がったと思ったら、急にギアをトップスピードに入れて激しく演じる落語が、芥川作品によく見られる狂気にも似た人間の二面性に通ずるからです。

私の感想は置いといて、現代の新作落語のパイオニアである三遊亭円丈(天どんの師匠)の血をもっとも受け継いでいるのが天どんかもしれません。理由は、作りだす新作落語や演じ方の全てが実験的で挑戦的であるからです。

唯我独尊、マイペースで進む高座に置いてかれそうになりますが、そこから新しい何かが生まれそうな予感がしてやまない。ゆえに、その生まれる瞬間を味わおうと、聞く側は必死で天どんの高座をおっかける。噺家と客との間に心地よい緊張感を作り出してくれます。


【関連リンク】
・噺家ブログバカ笑いと旨い飯林家きく麿ブログ

次ページ三遊亭ぬう生と立川らく里を紹介します。
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