落語/落語関連情報

NHKの朝ドラ「ちりとてちん」の魅力を検証

落語界を舞台とした話題性だけでなく、ドラマとしても質の高かった「ちりとてちん」。番組が終了してもなお、ファンが増え続ける、その魅力を検証します。

執筆者:清水 篤司

「ちりとてちん」効果

ちりとてちん―連続テレビ小説
ちりとてちん―連続テレビ小説 (NHKドラマ・ガイド) 「ちりとてちん」ファン必見のガイドブック
NHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」が終わってから、早一ヶ月以上がたちます。女性落語家をヒロインとした話題先行のドラマでしたが、回を重ねるごとに質の高いドラマだと認知され、「ちりとてちん」ブームを、そして上方落語ブームを巻き起こすほどのものとなりました。

今回はちりとてちんがヒットした理由を様々な角度から検証していきたいと思います。

上方落語を取り上げたのがエライ!

まず、注目すべき点が、製作が大阪放送局なので当然といえば当然ですが、全国放送のNHKが関西独特の文化芸能であり、漫才に押しのけられた感がある上方落語にスポットを当てたことです。

落語といえば、全国的に知れ渡っているのが、江戸落語です。現在の落語ブームの支流も東京の江戸落語で、ちょっと前まで「東京では、落語ブームのようですが、関西ではイマイチでんなぁ」とよく上方落語家が東京に来るとぼやいてました。

そこをあえて、上方落語界を取り上げたのは凄い!上方と東京では同じ落語でも、かなり違うところがたくさんあり、江戸落語にはない、魅力的な要素がたくさんあります。

このドラマは、その上方落語の魅力をドラマを通して分かりやすく紹介してくれました。

落語の演目に沿ったストリー展開

5分で落語のよみきかせ
ちりとてちん 上 (1) (NHK連続テレビ小説) (単行本) ストーリー構成がしっかりしているドラマゆえ、小説も読み応え十分
お気づきの方も多いと思いますが、このドラマのストーリーは落語の演目をベースにして進行していきます。つまり落語の演目を元にドラマが展開していくのです。これは落語ブームを作った大ヒットドラマ「タイガー&ドラゴン」とほとんど同じです。

「タイガー&ドラゴン」より進化しているのが、その演出がかなり細かい。落語通も思わず「ニヤリ」とするほどに、各落語の演目の中で、一番の見せ所をドラマの筋とキチンとリンクさせています。

また、落語として聞いているだけだと、分からなかった演目の更なる魅力をドラマを通すことによって、表現してくれる場面が随所にあり、驚きと同時に感心もしました。

特に落語の「景清」を元にした週はちょっとしたラブストーリー要素も加わりかなり秀逸な出来栄えだと個人的に思っています。


【関連リンク】
・NHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」公式ページ


次ページでは「ちりとてちん」を盛り上げた脇役達について紹介します。
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