落語/落語関連情報

大銀座落語祭2007ぶった切り(2ページ目)

開催期間、落語会数、出演者数、そして観客動員数、すべてが前代未聞の最大規模で行われた大銀座落語祭2007をガイド独自の視点で徹底検証したいと思います(ただの落語観賞記なんですが…)。

執筆者:清水 篤司

7/14(土)15:00頃
第2部「立川志らくの世界」博品館劇場

銀座三越屋上「庭園劇場」にて、若手噺家達により無料の落語会が模様される予定でしたが、台風の影響であえなく中止
中入り休憩の後に、まず、立川志らくがあまりマクラを振らずに「寝床」をじっくりと演じました。実はこの寝床が本日の後半イベントに対するお客さんへのExcuse(陳謝とでも言いましょうか)のようでした。次に柳亭市場が登場し、こちらもあっさりと「七段目」を演じきりました(どうやら二人とも後半の歌のことで頭がいっぱいだった模様)。

次に志らくは真っ白なスーツとカンカン帽で登場し、会場は一気に昭和へと無理やりタイムスリップ。その後志らく・市馬/二人昭和歌謡ショーの開演。昭和の名曲(らしい?曲が古過ぎてよくわからん)を二人で交互に生のアコーディオン伴奏で次から次へと熱唱。

これで、なぜ? 志らくが「寝床」を演じた理由が分かりました。趣味に凝り固まっている人は己の趣味趣向を他人に披露したくなるようで、志らくも「寝床」の隠居のように自分の趣味である昭和歌謡をどうしてもお客さんに聴いてほしかったのでしょう。

しかし、歌は下手だと謙遜していた志らくの歌はナカナカの物でした。市馬は落語界一の美声の持ち主で、歌謡リサイタルのようなものを開催するぐらいなので、ヘタな歌手よりずっと上手い。

最後は特別ゲストの森口博子が登場し、志らくと市馬と会場のお客さんと一緒にアジアの歌姫・李香蘭の「夜来香」(イェラィシャン)を大合唱。「みんなで歌いましょう」と壇上の三人に即されたが、こんな古い歌(第二次世界大戦頃の歌)歌えないっつーの(笑)。

まさにタイトルどおりの「立川志らくの世界」。志らくの自己満足のような会でしたが、それでも客を満足させるイベントに仕上げる志らくのプロデュース力には脱帽です。私も会の後半には一緒に大合唱していました(笑)。

しかし、この大銀座落語祭の入場料が(¥1,000)格安なのは「お客もある程度のことは我慢しなくてはならない」という暗黙の了解があるということを改めて認識。これから、どんなサプライズが待ち受けているのか?

次ページでは耐久戦となった、「爆笑新作落語会」についてお伝えします。
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