■今井雅之監督インタビュー■ |
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【映画に込めた思い】「一人でもアメリカ人に判ってもらえればいい」 |
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グラウンドゼロで世界初ロケ |
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南:世界で初めて「グラウンドゼロ」で映画撮影をされたわけですよね? 今井雅之:グラウンドゼロをどうしてもいれたくて、半年ぐらい交渉して、何とか2時間撮影許可が下りました。あの9.11テロ以来、カメラがはいるのは初めて。独特なものがありましたね。僕は霊感とかないですけど、ものすごく感じました。 南:撮影中は? 今井雅之:「神風特攻隊の撮影です」なんて言ったら、「ゴー!ホーム」って言われてしまうところでした。本当は俯瞰(ふかん)で撮りたかったけど、どこのビルも貸してくれなかった。めちゃめちゃ撮影に協力的なアメリカなのに、それだけは叶いませんでした。 | |
英語セリフについて「挑戦しよう!という心意気をかってくれ」 | 南:英文科ご卒業で、日常会話に不自由しない今井さんでも、本作のために英語の特訓をなさったとか? 今井雅之:英会話というより、英語で芝居をするのね。一番難しかったのは感情表現。住んだことがないから分かんないわけよ。 南:ネイティブならでは!って分かります。でも皆さんで特訓は大変ですよね。具体的には? 今井雅之:合宿もしたけど、特訓は僕とキンタ(松本 匠)だけ。あとは帰国子女だから。 今井雅之:この前、飛行機で『ピンクパンサー』を観たら、(フレンチなまりをまねつつ)「マイネーム クゥル~ゾー」って、めちゃめちゃフレンチなまりやん! 一生懸命スティーブ・マーティンはん、やってはるやん。けど、あそこまでうちらなまってないよね。だからいいんじゃないのかな、って思ったんだけどね。もう一人ジャン・レノはんもエライなまった英語だったなぁ。だから、英語で挑戦しよう!っていう俺らの心意気をかってくれ。 南:(そっくりのモノマネに大笑いしながら)では英語学習でモチベーションを保つコツは? 今井雅之:(ちょっとスネ気味に)しゃーないやん。「字幕スーパーやだ」って言ったんだもん。(※一同爆笑) |
<戦後>のないアメリカで『THE WINDS OF GOD』を公開する?! |
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南:全米公開のお話しはどうなんでしょう? 今井雅之:アメリカでは、作品を観る前から―― 南:(ガッカリしつつ)なるほど、アジア人の主演映画ではダメなんですか。だからストーリー等を気にいると、必ず『リメイク権』を購入するんですね。 今井雅之:そうそう。ま、最終的にアメリカが買ってくれたら……買ってくれたらの話ね。僕らの声を吹替えにされても、それはかまわない。ただ逃げたくなかった。日本語と英語ではリズムがかわってくる。吹替えになるにしろ、オリジナルが英語の方がしっくりする、だから挑戦したわけ。僕の声をトム・クルーズはんやトム・ハンクスはんがやってくれたら最高ですね(笑)。 |
【生きるとは】戦時下、「愛」に「逝」きた若者たち |
南:今後まだまだ続けていただきたいです。続けますよね? 今井雅之:今後、あと何年ってここでは宣言しませんけど、そういうおじいちゃんたちが、何で悪者扱いされているかが分からない。特攻隊ってイメージ悪いのよ。 南:そうなんですか? 今井雅之:イメージ悪いの、だからスポンサーがつかない。特攻作戦はよくないと思う。非人道的だと。でも、16歳なんて何にもわかってないじゃない。靖国神社にもあるけど、「おかあさん」「おかあさん」って手紙や遺書を書いて突っ込んで。未だに海の中で、『自分が悪者扱いされている』なんて思ってないっすよ。 南:最期は、「おかあさん!」なんですよね。 今井雅之:悲しいかな、お父ちゃんは出てけえへん。映画の中で寺川隆二(田中伸一)の遺書は「お父ちゃん」でしょ。あれは珍しかったから。あれ本物の遺書なんですよ。もちろん寺川って名前は映画用のフィクションですけど、遺書はノンフィクション。文章は、ほぼ9割を採用。これって著作権に触れる?(と心配顔)。一人ぐらい「お父さん」っていてもいいでしょ? それぐらいお母さんは偉大なの!! 南:戦後60年で、いろいろ触れる機会がありました。史実・事実を知って、自分で判断することも大切だと思います。 今井雅之:「子どもに見せられない!」って声もあるんだけど、見せられないんじゃなくて、教えようとしていないんじゃない。だから親を殺したりするような事件が起きているでしょ。ドッチのほうが危険なんだよ!って思うわけ。『親を守りたい』って、体を張って命がけで守ろうとしたわけじゃない。戦争は良くないし、爆弾をかかえて突っ込むなんて……。夢を追いかけて、力一杯、生きていくのが若者の特権なんです。日本はもしかしたら戦前に近づいているのかもしれないんです。今の平和を大切にしないと。押忍!! |
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