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ミュージカル映画『キャンプ』(2ページ目)

6月5日(土)~公開。低予算、ノー・スターというハンディを逆手にとり、ミュージカルをこよなく愛する多くの人々の情熱によって育てられた映画『キャンプ』。

執筆者:南 樹里

ゲイのマイケル(ロビン・デ・ジーザス)はプロム・パーティにドラッグ・クイーンで登場して同級生から袋叩きに。エレン(ジョアナ・チルコート)は、兄に60ドル払ってプロムのエスコートを頼むようなもてない女の子。肥満のため父親に過食防止の顎ワイヤーを嵌めさせられているジェンナ(ティファニー・テイラー)、ゲイにしかもてないディー(サシャ・アレン)、高飛車で女王気分のジル(アラナ・アレン)と彼女の召使のようなフリッツィ(アナ・ケンドリック)などなど。ほとんど全員、ちょっぴり、どこかがヘン。

しかしミュージカルをこよなく愛する彼らにとって、サマーキャンプは、夢の楽園。日常のいやなことはきれいさっぱり忘れて、2週間ごとに1演目を上演することに全力をそそぐ。そんな中、ギター片手にスケボーも乗り回す爽やかなストレート・ガイ、ヴラッド(ダニエル・リタール)が。マイケルとエレンの心には、瞬く間にヴラッドへの恋の炎が点火。今年のキャンプは何かありそうな予感。

キャンプ

キャンプ3日目、ようやくある男がキャンプに到着した。その名はバート・ハンリー(ドン・ディクソン)。72時間飲み明かして正体を無くし、予定より3日も遅刻してきたのだ。10年前にブロードウェイでヒットを飛ばしたのを最後。いまではアルコール中毒、身も心も堕落しきっている作曲家。今年は指導者としてキャンプにやってきたのだが…子供たちには「夢など見せるな。堅気な道でも歩め」と言うばかり。

朝から晩まで続く厳しいレッスン。そのかげでは、ヴラッドを巡る恋愛バトルも進行中。同じ演目に出演することになったエレンは、ヴラッドから才能を誉められて彼への想いをより強めていく。また女王気どりのジルは自分の部屋にヴラッドを誘い込む。

原題:『CAMP』日本語版字幕翻訳者:石田泰子■スタッフ監督・脚本:トッド・グラフ音楽監督、編曲、オーケストレーション:ティム・ウェイル[2003年/アメリカ/スコープサイズ/ドルビーSRD/1時間51分]配給:アスミック・エース

▼南の試写コメ一番の美女という設定の子が雰囲気だけで、さほど可愛くないのがなんとも。そして皆健康的に・・・・している。普段は、どんくさいとされる人物のほうが、スポットがあたると輝く!。そんな風に夢・希望を・・・・ほのかに感じさせてくれる。トッド・グラフ監督は「お金はないけれど、どうしてもキャンプの映画を作りたい!」という熱意でバート・バカラック、ヘンリー・クリーガー、そしてローリング・ストーンズの楽曲使用の許可をとりつけている。そこからして、ほら・・・・希望の光がそそいでいるではないか。舞台を目指す本物の俳優の卵を一般公募で募集しキャスティングしているのもポイント。演目シーンでは感動で涙がホロリ。

[2004年5月7日 @メディアボックス]

 


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