「オズワルドの好きなところは、誰にでも躊躇なく“ハロー”と言って、すっと入って行くところ。あの溶け込み方はいいなあと思いますね。友だちがたくさんできるだろうし、うらやましいなあと思う。でもオズワルドって、ひとりになったら実は繊細なヤツって感じがしますね(笑)」 | オズワルドと相棒のウィニーのぬいぐるみと一緒に |
オズワルドと比嘉さんの顔の雰囲気がソックリと勝手に思っている私だが、それ以外に共通点はないのだろうか。
「ひとりでは淋しいし……、だから友だちがたくさん欲しいというのはオズワルドに似ているかな。幼稚園のときに引越しをしたので、それまでの遊び友だちとも離れてしまって。それで家の近くで遊んでくれる友だちを作ろうと、学校ではとにかく声をかけまくっていましたね。あのときにウィニーみたいなのがいたら、もっと楽しかっただろうけど。あっ、そういえばいましたね、ウィニーみたいな友だち(笑)。映画のウィニーは女の子だけど、僕の場合は男の友だちですよ、もちろん」
偏見を捨て、自分の感性を信じて
映画を観る前に、必ず雑誌やインターネットで映画の情報収集をしてから観るという人もいるだろう。が、それも映画によっては良し悪しみたいだ。
「たとえば“あの映画はホッとするらしいよ”とか“やさしい感じらしいよ”とか聞くと、観た後に“そうだったっけ?”と映画の内容より自分の感情を評価するんだよね。そんなことは意味ないから、できれば真っ白な状態で観て欲しい気がしますね、この映画は」と、映画宣伝スタッフが驚くような発言をする比嘉さん。たぶんこれは、周りの雑音に惑わされず、自分の感性や心の反応を信じたほうがいいということかも。
事前情報はいらないと言いつつも、「オズワルドの歌も楽しいですよ。決してキャッチーでもないし、覚えやすくもないんです。だけどなんか楽しいんですよね。ほとんどがオズワルドの鼻歌みたいでハデじゃないけど、気持ちがわかるからなんかキュンとなったりね。BEGINでも、オズワルドの歌みたいな曲が作れたらいいなあと思いますよ、ホントに」と見どころを語る比嘉さん。
吹き替えという初めての体験は、楽しいと思える余裕はなかったが、それでも「充実した数時間だった」らしい。「ゆったりと時間が流れるオズワルドの世界に入り込みたいと思う大人の人はいっぱいいるだろうし、この映画を観て勇気づけられたりする人もいるんだろうなと思うと、この映画に参加できたのはうれしいですね」
■『Hello!オズワルド』(OSWALD)
監督:ロバート・シェルホーン(第1話『かくれんぼ』)
ヘンリー・レナーディン・マッデン(第2話『ヘンリー空を飛ぶ』、
第3話 『デイジーとアヒルの子』第4話『ゴーカート・レース』)
吹き替え版声の出演:比嘉栄昇、藤村俊二、ベッキー、ほか
2002年アメリカ映画/48分/03年2月より字幕版・吹き替え版同時公開
オフィシャルサイト:http://www.oswald.jp
(テキスト:名護 すえ子)