フランスとの関わり
ガイド:僕にとってフレンチポップはリオ以降のいわゆるフレンチテクノポップあたりからなんですが、サエキさんがフレンチポップに出会ったのはどのようなきっかけでしょうか?
サエキ:
68年頃の洋楽ポップス番組です。フランシス・レイなどの映画音楽、その歌物が出会いです。
ガイド:
今回の企画はどのようにして始まったのですか? フランスサイドからのアプローチがあったと聞きましたが・・・
サエキ:
もともとコロンビアから1995年に出た『ゲンスブール・トリビュート95』が2001年にフランスで『ゲンスブール・メイド・イン・ジャパン』として出て、スマッシュヒットとなりました。その中で、僕の「リラの門の切符きり」のトラックが注目され、2003年に『スシ頭の男』としてソロ・デビューすることになり、2回ツアーを行いました。
その続編として出た『カマンベール&スシ』にフランスの友人の薦めでCLO CLOのカヴァーを入れたのがきっかけです。再びそれが気に入られ、今度はトリビュート盤を作ろうということになりました。
人選と選曲
ガイド:ご自身も含めて(笑)、かしぶち哲郎さん、松尾清憲さんなどの大御所から、新鋭のアーティストまでとても幅の広い人選が行われていますね。人選はどのように決まっていったのでしょうか? All Aboutテクノポップのインタヴューでも登場してもらった、ぶどう÷グレープ、ELEKTEL、Cuitie Paiのまゆちゃんとかもいて、All Aboutの読者にもぜひ聴いて欲しい作品です。
サエキ:
海外で活躍しているアーティストを優先しました。アメリカ最大のロック・フェス、「サウス・バイ・サウス・ウェスト」に、日本人としては初めて5年連続して本部招聘されているファンタジーズ・コア、欧米とアジアで大きく注目されている、また今年avexからメジャー展開をしている、チップチューンの覇者YMCK、ヨーロッパ各国のMODSフェスで有名なレ・カプチーノ、シンガポール公演を成功させたペ・コンボ、そして今年ダラスのアニメフェス出演など、アメリカでの展開が期待されるぶどう÷グレープ、などです。トーストガールもオーストラリアで活動してましたし、ELEKTELも英国や香港でやってますしね。
かしぶち哲郎さんは、ピエール・バルーやミッシェル・ルグランと仕事しています。松尾さんについては、以前からフレンチの話をよくしていました。個人的には、コーラスで参加したCuitie Paiが最近、進捗が大きいので、大変嬉しく思ってます。
ライヴ風景 |
ガイド:
世代的にクロード・フランソワのことをそれほど知らない人も居たと思うのですが、選曲はどのように決められていったのでしょうか?
サエキ:
フランスから、これはマストだという曲が送られてきました。ヒット曲だけでも数十曲あるので、あとはフランス人でないと、国民的に思い入れのある曲はわかりませんから。それを、アーティストに合っていると思える曲を3~5曲選曲し、
選んでもらいました。
ガイド:
サエキさんご自身が、「陽のあたる月曜日(Le Lundi Au Soleil)」をカヴァーされた理由は? 聴いていると、労働意欲がなくなって遊びたくなります。
サエキ:
これは、今回のきっかけになった曲で、4年前に『カマンベール&スシ』のために吹き込まれていました。フランス人の編曲家ファブリス・ラヴェル・チャプイ(ジュリエット・グレコなどの編曲を担当)に勧められて歌いました。訳詞は下訳を翻訳家にしてもらい、僕が超訳詞を書くというパターン。とにかくクロード曲は詞がヘンなので面白いです。