テクノポップ/テクノポップ関連情報

アーティスト・インタヴュー~Part 26 松前公高クロニクル(7ページ目)

きどりっこ、エキスポ、コンスタンス・タワーズ、SPACE PONCHなどのグループ活動、そしてソロ、リミキサー、アレンジャーとしての松前公高さんの歴史を探る、壮大なインタヴュー企画がここに完成!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

最近のお仕事

――比較的、最近のお仕事としては、『えいごリアンミュージックコレクション』(2002年)や『MOTHER 1+2 オリジナル サウンドトラック』(2003年)ですが、この『MOTHER』は、1と2を足したというよりも、新たに松前さんが再構築されたリミックス盤のような捉え方をしていいのでしょうか?

「えいごりあん」は英語の歌のバックトラックを作っているだけですね。『MOTHERの1+2』というのはゲームボーイ・アドバンスドのソフトが出て、その時に依頼されて制作しました。2のサントラの時にリミックスも作ったんですが、作曲者じゃない人間がサウンドトラックを作るというのはむずかしいですね。なので、厳密にはオリジナル・サウンドトラックではないんですが、ゲームボーイ・アドバンスドの音自体を収録してもかなりハードウェアの音質クオリティに問題があるので、ちょっとMIDIで豪華なバージョンに、という話だったんですが、結局時間かけてしまいました。あまり凝りすぎて自分の欲を出しすぎると原曲のイメージからはずれてしまいますから。

ファンの多いゲームだし、なにしろ作曲は鈴木慶一さん田中宏和さんという大御所ですし、曲もPSGだけで世界観がしっかり出来ているものですから、ちょっとあっさりしたアレンジが多いです。その分、元ハイポジの近藤研二くんや、インスタントシトロンの片岡知子さんに、生演奏系のアレンジをしてもらって、三人で制作しています。

――あと、松前さんが確信犯的にフュージョン歌謡なアレンジを施している千葉レーダーの『ウルトラベリイベストオブ千葉レーダー』(2002年)に収録の「無敵のファンデーション」は、個人的につぼにはまりました。ニューウェイヴでもなく、テクノな70年代終盤の時代感覚がおしゃれです。

ありがとうございます。きどりっこ、エキスポ、コンスタンス・タワーズ、SPACE PONCH、S.S.T.BAND、トランソニックのソロなどやりたい様々な部分を満たしながらいろいろやってきたんですけど、結局、じゃあ自分の個性は何か?という事になると、こういうプログレの70年代後半のもの+テクノポップのメロディアスなもの・・・が世代的にも自分が最も直接影響を受けていてしっくりくる、他の人が出来ない最も自分らしい部分なのだろうか?とようやく気が付いてきた感じです(笑)。なので、最近のソロ活動はサウンドやコードの使い方は完全にその路線だけになりました。

Photo by Ryu Yano
――今後のリリースやライヴなどのアーティスト活動としての予定や企てがあれば、教えてください。

そのフュージョンプログレ風+テクノのシンセミュージックという感じでソロのライヴ活動をやっています。今後も頻繁にやっていく予定です。出来ればこれをレコーディングしたいと思っていますので、公式サイトなどでご確認いただければ幸いです。

(どうも、ご協力ありがとうございました。)

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