――レイブマンさん、やはり、高貴なエキゾチカ嬢には手を焼いていませんか? 今までのわがまま迷惑体験があれば、教えてください。
RAVEMAN:数ヶ月かけて作った曲をボツにされるのは本当に心痛いです。
EXO-CHIKA:私もその曲を聴いた時には心痛いのです。だからやりたくないとジェスチャーで伝えます。(指でバッテンを作って)
――やっと、本題です。そんなお二人が、本業をおろそかにして、音楽家として活動している理由は?
RAVEMAN:(姿勢を正して)音そのものの魅力は言語や年代を超えるわけです。普及の手段としてこれ以外に考えられません。
EXO-CHIKA:おそらくRAVEMANの言うとおりだと思います。
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――デビュー・アルバム『Vampire Extasy』(2004年)を聴いていると、ありえない音楽性に唖然とします。ゾンビ・ネーションのような怪奇系テクノ(「クリムゾン・タイラント」など)かと思いきや、いきなり小室系ユーロ歌謡(「ディスコキング」など)になったり・・・インダストリアルでもあり、トランスっぽかったり、かなり変です。つまり、過剰の美学なんですが、一体何がそうさせるのでしょうか?
RAVEMAN:もちろんそれらの音楽を好んで聞くという理由もありますが、もう一つにハイブリッドな表現方法を多くの場面で用いているからでしょうか。例えばEBM+ゾンビ=カッコいい、HI-NRG+格闘技=泣ける…といった具合にサンプリング~コラージュ世代にとっては「音楽性」も素材の一つであり、それにオリジナルの要素を加えて組み立てていくわけです。
EXO-CHIKA:そうそう。立体駐車場+バームクーヘン=立体バームクーヘンみたいなね。
RAVEMAN:駐車場の部分がどっかいっちゃったな。ちなみに「クリムゾン・タイラント」はアシッドハウスの日本語吹替え版をやろうと思ったら、ボーカルの男が棒読みで失敗した結果にできた曲です。
――4曲目の「テラーピクセン」・・・戸川純と巻上耕一の世界が脳裏に浮かぶ、奇妙なレトロ歌謡に聴こえます。この辺の人たちも好きなんでしょうか?
RAVEMAN:好きですよ。でも歌謡曲な要素はもっと真っ当にピンクレディーや高田みづえの影響だと思います。
――7曲目の「Preservative Women」・・・ジャパネスク・エレクトロディスコというありそうでなかった世界だと思います。エレクトロクラッシュやエレクトロディスコも好きなんでしょうか?
RAVEMAN:そうですね。エレクトロクラッシュな音やファッションも好きなんですが、さらにそれを消化して独特な作風をもっている人とか最高です。やはりGIGOLOは大きい存在ですよ。