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アーティスト・インタヴュー~Part 17 SONOKOのお話テープ(7ページ目)

一人の日本人女性アーティストが「お話テープ」を3つのお気に入りのレーベルに送って、ベルギーのCrammed Discsからデビューする夢物語。Crammed DiscsからもSoundclashシリーズとして再発!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

——今でこそ、海外での日本のアーティストのリリースや活動は珍しくありませんが、仕組みが分かりにくいヨーロッパへ行って、単身で活動する事に支障は無かったのですか?

海外で音楽をプロモーションする最も有効な方法はツアーです。そういう意味では、もともと演奏経験のあまりない、ライヴで再現する事が難しい音楽を作っているわたしのようなアーティストが活動を続けるのは大変でした。いわゆる芸能人のようになるのも嫌でした。でも、積極的にツアーを組んで演奏をしなかったことは後悔しています。

——ヨーロッパでの経験に基づいて、今後海外で活動したいアーティストへ何かアドバイスなどあればお願いします。

自分が何を表現したいのかという事が最も大切だと思います。何故海外で活動する必要があるのかを知る必要があると思います。それから、自分をアピールしたり理解してもらうためには、(日本人が苦手としている)きちんと自分の考えを持つ事、その考えを伝える必要があります。そういう意味では自分の意志を伝えられる語学力を持つことはインターナショナルな活動にはMUSTだと思います。

——長いブランクを経て、今回Mad Frenchレーベルから『Les Copains de Mad French』でブリジット・バルドーの「La Madrague」のカヴァーで参加されましたが、音楽活動を再開する至ったきっかけは?

ずっと長い間SONOKOである自分を封印して生きてきたのですが、長い間ずっと、音楽を続けていかなかった勇気のない自分に対しての後ろめたさや罪悪感を感じていました。例えるとしたら、「記憶を喪失して別の人生を生きていた」ような、そんな感じがします。パリから日本に帰ってきてしばらくしてから、偶然に何人かの愛好家に出逢い、感動しました。『デビュタント』がこれほど愛されていたなんて知らなかったので本当に嬉しかったのです。沈黙していた間もずっとファンでいてくださったこと、『デビュタント』を宝物のように大切にしてくださっていることを知り、勇気づけられました。

「ミツバチの囁き」「エル・スール」という映画を撮った、わたしの大好きな映画の監督ビクトール・エリセは十年に一度の割合で作品を作ってます。ケネス・アンガーもひとつの作品をプロデュースするのに何年もかかっています。寡作でもよいから、秀作、できれば傑作を残せるアーティストになりたいと思っています。完成したアルバムを宝物と言ってもらえる事は、創り手として最上の喜びであり至福です。

(長いインタヴューありがとうございました。)
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