客席の反応は?
国際フォーラムの広い客席を埋めていたのは、冒頭にも述べたとおり30代以降が中心。10代、20代のときにリアルタイムにシカゴやヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのヒット曲を聴いて育った世代だろう。だから、ビッグヒットからは少し遠ざかっている両バンドとは思えないほど、どちらのライヴもとても盛り上がっていた。
ただ、この2つのバンドのコアなリスナーの年齢層には少し違いがある。シカゴは70年代初めから活躍していたし、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのヒットは80年代中盤以降に集中している。どちらも好き、という人もたくさんいただろうけれど、どちらか一方だけが目当てでチケットを入手したという人もかなりいたようだ。
というのは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのときに立ち上がって手拍子をし、身体を揺らしてノリノリでも、シカゴのときには比較的静かに見ているという人も多かったし、前半戦で座っていて、シカゴになると真っ先に立ち上がるという人も少なくなかったのだ。極端な人になると、前半はノリノリだったのに、シカゴになると座ったままステージも見ず、しかも3曲目あたりでさっさと帰ってしまったというのもいたくらい。
ただこれは極端な例であって、多くの観客は両方のバンドのパフォーマンスを楽しんでいたはずだし、今回はどちらのバンドも単独公演を行なっていないので、これもしかたがないのかもしれない。それにヒューイ・ルイス&ザ・ニュース目当てで来たけれどシカゴがすっかり気に入った(あるいはその逆)、という人もいたに違いない。そういう意味では、リスナーの層がすごく近いTOTOとボズ・スキャッグスのジョイントより、シカゴとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのジョイントはとても意義のあるイベントだったと言えるだろう。なにより、こんな2つのビッグネームを同時に見られるのだから、アメリカンロックファンにとってはたまらなかったハズだ。
とはいえ、今回はジョイントライヴだったのでどちらも持ち時間が90分程度、通常のライヴに比べれば少し内容が減らされていただろうし、機材の入れ替えの都合もあって、ステージセットもシンプルそのものだった。今度はぜひ、単独公演でじっくりと見てみたいものだ。
【関連リンク】
シカゴ公式サイト(英語)
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース公式サイト(英語)
ウドー音楽事務所のサイト(ニュースページにセットリストあり)