独特のクイーンサウンドもここで完成
シンセを一切使わなかった頃のクイーンサウンドの要、ブライアンのギターは手作りの「レッドスペシャル」。(写真は現在発売中のレプリカモデル) |
ハードロックからピアノ弾き語り風の小曲、カントリーフレーバー漂う軽快なナンバー、コーラスが重苦しいヘヴィなチューンまで、曲調は多彩でどの曲も個性的だ。それにも関わらず、全体を通して聴くと見事に統一感がある。そして不要な曲がないばかりか、どの曲の中にも不要な音がひとつもないほど恐ろしく研ぎ澄まされている。こんなに練り込まれた作品を、前作からわずか1年ほどの短い間に完成させたことも驚きだ。
『オペラ座の夜』と合わせて聞きたい名盤
『オペラ座の夜』と合わせて聴きたい『華麗なるレース』。ここでもバラエティに富んでいながら見事に統一された、絶頂期のクイーンサウンドが展開されている |
ちなみにこのアルバムでは、管楽器や効果音のような音も聴こえてくるが、これらはすべてブライアンのオリジナルギター「レッドスペシャル」から作り出されたもの。この頃のクイーンはシンセサイザーを一切使わないことで有名で、歌詞カードなどには「no synths」とクレジットされていたほどだ。
この『オペラ座の夜』を聴いてクイーンの世界が気に入ったなら、その次に発表された『華麗なるレース』も聴いてみてほしい。本人たちも「この2枚は双子のアルバムのようなもの」とコメントしているように、『オペラ座の夜』と対をなす作風になっているから、こちらもきっと気に入るだろう。合わせて聴いてみると、頂点を極めた頃のクイーンの素晴らしさがよくわかるはずだ。
【関連リンク】
・東芝EMIのクイーン情報ページ
・クイーン公式サイト(英語)
・「Brian May Guitar」ブライアン・メイ使用ギターのレプリカ制作メーカー(英語)
・クロサワ楽器のBrian May Guitar情報ページ