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3度……いや4度おいしい! 鰻のひつまぶし(2ページ目)

明治生まれの名古屋名物・うなぎのひつまぶし。元祖「あつた蓬莱軒」の若女将がレクチャーする、そのおいしい食べ方とは? 大行列店・蓬莱軒の上手な利用ガイド付き。

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

筆者も実食。うれしくも悩ましい4杯目

筆者も早速、実食させていただくことにしました。若女将に教えていただいた通り、4等分し、その一角をお茶碗によそいます。そして、1杯目はオーソドックスにそのまま。と……う、ウマい! ひと口食べた瞬間、こってりしたタレの甘辛いコクが口中を支配し、なおかつ備長炭の炭火焼ならではの香ばしさが広がります。うなぎは細く刻まれているのに、ふんわりとした柔らかさが保たれています。これだけでお櫃一杯分食べられそうです。

2杯目・薬味をかける
2杯目はねぎ・わさび・のり、3種類の薬味をかけて
しかし、ここはグッと我慢。香ばしさに後ろ髪引かれながら、薬味で味わう2杯目にチェンジです。1杯目同様にお茶碗によそったら、ネギ、わさび、海苔を上からどっさり。すると、今度は薬味の風味が鼻腔をくすぐる上品な味わいに様変わり。

タレの甘みとわさびのツンとした辛みの混ぜんとした味わいがたまりません。うなぎのこってり感が和らぐことで味に大きな変化がつき、ますます飽きずに食べ進むことができるようになるのです。

ひつまぶし・お茶漬け
3杯目はダシをかけてさらさらとかき込む
3杯目はお茶漬け。薬味をどっさり乗せた上からおダシを注ぎます。香りなどの主張を控えた薄いダシなので、蒲焼きと薬味の風味を損なうことなく全体を優しく包み込み、さらさらとかき込める口当たりのよさを生み出します。さっぱりした中にもタレのコクがしみ渡った、何とも贅沢な締めの一杯です。

以上3通りの食べ方には、それぞれ全く異なる魅力にあふれています。そして、3通り味わったところでもう1杯分残っている、これが実にうれしい! と同時に、実に悩ましい!! どの味も甲乙つけがたく、どれももう1回味わいたいのですから。筆者は結局決めかねて、残り1/4をさらに3等分し、もう一度3つの美味を食べ比べしました。セコい? いえいえ、こういうお客さんは決して少なくないそうです。

皆さんも実際に味比べして、自分だけの黄金配分を見つけてみてください。

3店舗とも行列必至。待ち時間を短くするコツは?

あつた蓬莱軒神宮南門店
本店から歩いて3分の神宮南門店。一部、予約もできる
「あつた蓬莱軒」は本店、神宮南門店、松坂屋店と名古屋市内に3店舗を構えます。どの店も100席以上ありますが、連日行列ができ、とりわけランチタイムは大いににぎわいます。

「開店の11:00前から並ぶお客様も多く、すぐに満席に。3軒ともに11:30~13:30頃までのピーク時は平日でも30分待ち、休日ともなると1時間以上お待たせしてしまうことも珍しくありません」と若女将。

何とか少しでも待ち時間を少なくしたい。そのための攻略法はないのでしょうか?

あつた蓬莱軒松坂屋店
松坂屋店は休憩なしの通し営業なので、ピークタイムを外しやすい
「松坂屋店は休憩時間のない通し営業なので、ピーク時を外した14:30~17:00の間なら待たずに入ることも可能です。また、神宮南門店だけは、日曜日を除いて若干ですがご予約をお受けしています。それでも少々お待たせするかもしれませんが、優先してお席にご案内できます」(若女将)。

神宮南門店の予約は当日でも可能ですが、席数はごく限られているとか。早めに予約を入れ、なおかつ時間にゆとりを持って来店することをおすすめします。

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