愛し合っているのに、すれ違い!
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9月3日に行われた公開舞台稽古より。以下、同 |
1994年に発表され、96年に再演されたマキノノゾミの恋愛喜劇『青猫物語』が、満を持して12年ぶりに上演されます。愛し合っているのにすれ違いを繰り返してばかりの男女の、ハートウォーミングなこのラブコメディ、今回は北村有起哉、黒谷友香のフレッシュコンビがW主演をつとめます。
このところ話題作に連続して出演、07年には『CLEANSKINS/きれいな肌』で寺山修司賞を受賞して注目される北村と、つかこうへいの舞台で舞台経験を積んできた黒谷は、今回が初顔合わせ。きたろう扮するカフェ「青猫」の盲目のマスター。コミカルなすれ違いを繰り返す二人の恋を見守る存在なのですが、実は──。
セクシーな衣裳もみどころ
黒谷が演じるのは、「青猫」の2階でお客を取る踊り子兼娼婦、そら。セクシーな衣裳も見どころで、「これは喜劇なので明るい面を表に出しているので、とても楽しくやらせていただいています。(セクシーな衣裳も)全然嫌ではないです(笑)」と役柄を楽しんでいる様子。北村有起哉はそらに思いを寄せる新劇青年、静男役を、きたろうは、舞台となるカフェ「青猫」のマスター、ブルさんを演じます。
お邪魔したのは、稽古場から劇場に入って初日の舞台稽古。この物語の舞台は、昭和8年、新劇の聖地・築地小劇場の裏手にたたずむ小さなカフェ(そう、「青猫」といいます)です。舞台上には、壁の汚れに歴史とぬくもりを感じられ、「当時のカフェってきっとこんな風だったんだろうなあ」と、なんだか郷愁をくすぐられました。って、昭和8年のカフェなんてもちろんみたことはあるわけではありませんが~。