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コールドケース未解決事件がテーマの海ドラ(3ページ目)

コールドケースとは何なのか、などを説明しながら大ヒット・ドラマ『コールドケース 迷宮事件簿』をご紹介致します。

執筆者:堀川 樹里

Murder in Greenwich: Who Killed Martha Moxley?
ケネディー家の圧力がかかったとされるマーサ・モクシー殺害事件

ドラマを生んだコールドケース

1975年のハロウィーン前夜、コネチカット州グリーンウィッチの住宅街でマーサ・モクシーという15歳の少女が自宅裏庭の木の下で遺体となって発見されました。

体中をゴルフのアイアンで殴られており、首をギザギザのナイフで突き刺されていました。ジーンズと下着が膝まで下げられていましたが、レイプされたかは定かではなかったとのことです。

凶器や被害者母親の証言などから容疑者はすぐに浮かび上がりました。近所に住む、この地域でとても有名な問題児。トミーとマイケル・スカーケル兄弟で、トミーは当時17歳、マイケルは被害者と同じ15歳でした。2人とも被害者のことが好きで、彼女をめぐりよく喧嘩をしていたそうです(事件当時、被害者はトミーと交際していたとされる)。

すぐに解決しそうな事件でしたが、事件はあっさりと迷宮入りしてしまいます。

実は、このスカーケル兄弟、第35代ケネディ大統領の弟ロバート・ケネディの妻エセル・スカーケル・ケネディの甥だったのです。マイケルが「俺はケネディ家の一員だ。逃げ切るさ」と笑ったと友人が証言しているように、何らかの大きな圧力がかかり、結局捜査は打ち切りとなりコールドケースとなってしまったのでした。

しかし、2000年に元ロサンゼルス市警察刑事のマーク・ファーマンが事件を捜査しまとめた本「Murder in Greenwich」(映画化されている:『消された真実 グリニッチ殺人事件』(2002)」)を発行したことがきっかけとなり、事件は急展開を迎えます。

マイケルを起訴するための大陪審が行われ、起訴にこぎつけ裁判となり、2002年6月7日陪審は有罪判決を下し、同年8月29日に20年~終身刑の最終判決が下されたのです。

このマーサ・モクシー事件を知った脚本家メレディス・スティームは、「15歳で犯した殺人を、41歳で裁かれた」「人間は成長したり変わるものだけれど、どんなに時が流れても過去の行動に責任を負わねばならない」という点に注目。

「20年、30年前の事件が起こった頃にさかのぼり、亡くなった被害者に会い、そして加害者が最も感情的になり罪を犯す場面に立ち会えるよう、フラッシュバックを散りばめたドラマを制作したい」と思うようになったのでした。

メレディスの「フラッシュバック」アイデアを気に入った『CSI:科学捜査班』シリーズ、『FBI失踪者を追え!』を手がけいるジョナサン・リットマンは、「ただのフラッシュバックではなく、事件当時の衣装、車、雑誌などのトレンドを徹底し、流行音楽も流す」「加害者、関係者はダブルキャストにして、過去と現在を演じさせる」というアイデアを加えドラマ制作に乗り出したのでした。

そして、ジョナサンと共に『CSI:科学捜査班』シリーズ、『FBI失踪者を追え!』を手がけているジェリー・ブラッカイマーも加わり、ドラマ『コールドケース迷宮事件簿』 は誕生したのです。


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