イビサ島について
『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』を印象付ける舞台、イビサ島。 |
マイケル・ドース監督:カナダ人やアメリカ人の中には、イビサ島を知らない人も多いと思う。ヨーロッパ人のようにはね。この映画が、イビサ島を舞台にした、一番大きな理由は、イギリス人やヨーロッパの人にとっての、この島に対するイメージをプロデューサーが知ったことだと思う。イビサのナイトシーンや、DJのことなら、若い人なら誰でも知っている。だけど、イビサを舞台にした映画はないから、大きなマーケットがあると考えたんだ。
毎年ってわけじゃなくても、みんなクレイジーな一週間を過ごすためにイビサまで飛行機で出かける。毎日5万人もの観光客が訪れて、飛行機の中でも叫んだり、写真を撮ったりハイになったり、大変な状況みたいだ。島の空港には15分おきに、イタリアやドイツやスペインから飛行機が到着する。でも、一番多く訪れるのはイギリス人だ。日本では、これほど享楽的な休暇を過ごす場所はあるかい?
監督について
ガイド:エール大学でMBAを取得されたとのことですが、今は映画監督ですね。どのような心境の変化があったのですか?
マイケル・ドース:監督マジメにとられちゃったね。『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』にも仕掛けというか、ジョークがあるけど、実は、これも僕の仮装なんだ。みんな興味を引くし、みんな僕のこの略歴を信じてる。でも、これは一種のジョーク。
ガイド:びっくりしました。映画もそうですが、遊び心がたくさんありますね。次に作品はどのような作品ですか?
マイケル・ドース監督は、この映画の成功を受けて、一躍人気監督へ。 |
マイケル・ドース監督:トファー・グレイス主演の『Kids in America』という作品がプレプロダクション中なんだ。この作品は、『24』のように、実際の時間が映画の中で再現される方式の映画で、98年が舞台。高校を卒業し、週末のパーティを開き、その中でその年代特有の問題を描く作品。その次は、『Blue movie』。ポルノ映画を作ろうとしている映画スタジオを風刺する作品なんだ。
ガイド:映画という媒体の何に一番魅了されますか?
マイケル・ドース監督:「いろんな要素が組み合わされて、作品ができるというコンビネーションの部分だ。音楽や映像や脚本、それぞれがチャレンジすることが、結果として、ひとつの作品として結実するのが、魅惑的だと思う。
さらに、公開された後、観客に見てもらえて、満足してもらえるとしたら、それが最も素晴らしいことだと思う。
映画を見ている間、観客は何もできない。美術館で一緒に来ている人と作品について語り合うようなことは、映画館ではできない。だからこそ、映画を作ることは、観客の満足に関して大きな責任があることだから、挑戦的なことだと思う。だからこそ、やりがいがある。
コメディが一番面白いと思う。観客の笑いで反応がわかるし、自発的な笑いに関して、こちらは何もコントロールできないからね。シリアスな映画では、そこまで反応はわからない。
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