若い女性監督ならではの苦労も
ヨンジェは写真を専攻する学生。写真がきっかけでミナと出会う。 |
「映画の中で写真を撮ることが出会いのきっかけになっています。カメラマンという役にしたのは、写真というものに思い出を残す役割を与えたかったのです。写真というのは写す人の視線を表します。人は見た目で判断することが多いのですが、親しくなると、
目の色など細かいところまで気になってきます。相手との距離が近づくと、写真もどんどん近いものになっていくのです。写真に映ったミナの表情が変わっていくということで、二人の距離が近づいていく様子を描きました」
―撮影中はどんな点を苦労しましたか。
「大学のときは、友人と一緒に映画を作っていたのですが、今回はプロの監督として一人で現場に出て、これまでとは違う経験をしました。スタッフが俳優も加えると50人もいるのですが、50人がそれぞれ違う「アメノナカノ青空」を心に描いています。彼らの意見を聞き、時に説得しながら、良いところを取り入れるのが大変でした。その中で合意点を見い出すことができ、良い結果を出すことができたのはうれしかったです。現場でみなの声に耳を傾けるのは難しいことではありますが、これからもやって生きたいと思います」
ちょっと童顔でありながら、すっきりした表情、そしてなんといっても賢そう。イ・オニ監督は「アメノナカノ青空」の作品から想像したとおり、繊細なしっかりモノという印象でした。一つ一つの質問に、的確にはっきりと答えてくれたイ・オニ監督。韓国映画の次世代を背負っていくであろう、新しい才能を感じました。
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