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“おかもち”って何?
【122号 2003年7月4日】
「宝塚用語集」にも載っていますが、今回は「おかもち」についてお話しましょう。
漢字で書くと――岡持――。
これは宝塚用語でもなく舞台用語でもなく、一般的に使われる言葉。ですから、ご存知でしょ?
えっ……? 聞いたことがない…? ならばご説明。
飲食店の従業員の方が出前に行く時、持っている木の入れ物。あれが“おかもち”です。
中に食べ物を入れ、片手で持てるアレ。
舞台に(またはテレビや映画)出演する人も、これを使います。
と言っても、様子はだいぶ違います。
宝塚の生徒が使う“おかもち”の中身は、早替りで必要な物。
●髪型に関する物……ヘアースプレーetc、くし、ブラシ、ヘアーピン、髪飾り、小さな付け毛など。
●お化粧直しに必要な物……手鏡、はけふき、口紅や粉、アイプチなど、化粧道具ほぼ一色。
●アクセサリーやカフスなどの小物。
●飲み物が必要な人は…飲物も。
“おかもち”の形、まさか、出前のお兄さんのようなものではありません。もっと小さくて軽くて。もちろん、蓋もありません。
細かい物を入れるため、小さな仕切りが付いていた方が便利。
実際、どんなものを“おかもち”として使っているのかと言うと……
日曜大工用品店などで売られている工具入れ。プラスティックの。釘などを入れるせいか小さな仕切りあり、大きな物を入れるスペースあり。
これを使っている人は多いです。
または、仕切りの付いたカゴや、舞台用専門の“おかもち”のお店もあるらしく、そこの製品など。
本人が使いやすければ何でもいいのです。
ただ生徒の場合、早替りで使うわけですから、使いたいものをさっと取り出せる、上手から下手に衣装替えで走る場合、片手で軽く持って走れる大きさ…ということになりますね。
本番中以外は楽屋に置いておきます。
化粧が終わり、その中に今使った必要なものを入れ、衣装を着て、“おかもち”を早替り場所に持ってゆくのです。
楽屋に帰って、カツラを替えたり化粧直しができる場合(芝居などで多いですよね)には必要ありません。
早替りの少ない下級生も。
“おかもち”を持ってスタンバイできるようになったら……「ワタシも結構忙しくなってきたのね…」なんて感じたりして。
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