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総集編に毛が生えたスペシャルは気が……

終わったと思ったら二週間後には新作スペシャルを放送する『怪物くん』。変わった構成ですが総集編+新作少々よりは期待できそう。それに『古畑任三郎』という前例もあります。奇策を打ったそれぞれの事情とは?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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怪物くん DVD-BOX
怪物くん DVD-BOX
6月12日に最終回をむかえた『怪物くん』。ところが二週間後の6月26日、はやくもスペシャルとして戻ってきます。それも総集編ではなく新作として。その名も「もう帰ってきたよ!!怪物くん 全て新作SP」……そのままですがな。

連ドラ最終回直後に総集編的なスペシャルを放送するのは、よくあるパターンです。たぶん制作費を抑えつつ、そこそこ視聴率をとれるからでしょう。しかし最終回直後に総集編じゃない新作スペシャルをするのはかなりめずらしい。
このようにする理由は想像できます。それは最終回とスペシャルの狭間の6月19日、裏番組にサッカーワールドカップ・日本-オランダ戦(テレビ朝日系とNHK・BS-1で放送)があったからでしょう。これにまともにぶつかっても勝ち目がない。かといって最終エピソードのまっただ中で一週休みを入れても間延びしてしまう。そこで最終回の二週間後にスペシャルという手を考えたんじゃないかと思います。

『古畑任三郎』でも

古畑任三郎 2nd season DVD-BOX
古畑任三郎 2nd season DVD-BOX
連ドラ最終回から二週間後に新作スペシャルというパターンは初めてというわけではありません。1996年の『古畑任三郎』第二シリーズでもそれはおきました。最終回はゲスト鈴木保奈美の「ニューヨークでの出来事」で3月13日放送。そして二週間後の3月27日、ゲスト山口智子の90分スペシャル「しばしのお別れ」が放送されたのです。

この時はワールドカップのようなわかりやすい外的な理由はありませんでした。あくまでガイドの想像(妄想?)ですけど、鈴木保奈美・山口智子の序列問題があったんじゃないかと思ってます。
『東京ラブストーリー』鈴木に『29歳のクリスマス』山口(『ロング・バケーション』はこの直後の4月から放送)とフジテレビで実績のある二人。しかし山口智子が最終回90分スペシャルのゲストだと、鈴木保奈美の立場はどうなる?

そういう問題を解決するための手段として頭のいい人が放送を一週間休むことで「最終回」と「90分スペシャル」を分離するという奇手を考えたんじゃないでしょうか。この説を補強する材料として、さらに二週間後の4月9日、総集編スペシャル「消えた古畑任三郎」が放送されたこともあげておきます。本来は90分スペシャル「しばしのお別れ」が第二シリーズ最終回で、その後に総集編スペシャルという予定だったんじゃないでしょうか。

次は「総集編詐欺?」
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