今回はTBSが全体に遅く『恋の時間』『今夜ひとりのベッドで』『花より男子』とはじまったばかりですが、そう待ってもいられない。恒例の秋ドラマ概況分析です。グラフはいつもと同じく縦軸が記事を書いている時点で最新の10月19~25日の視聴率、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値だから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか(またはつまらなかったか)を示すはずです。(まだ初回しかやってないドラマは参考値のため括弧をつけています)想定外の『危険なアネキ』と『花より男子』視聴率トップは『危険なアネキ』。月9だけど恋愛ものじゃない、伊東美咲の演技やISSAとの交際報道などの面からこないだろう、と思っていたのですが唯一20%超の視聴率を第2話でもキープ。人気のポイントはわかりやすいコメディに徹し、最後はアネキのやさしい心に弟が学ぶという決まったパターンでおしていることでしょうか。このわかりやすさは『ショムニ。』から『ごくせん』とくる流れの続きですね。こんなんでいいのか?と思わないでもないのですが、選挙と同じで勝ったからいいんでしょう。『花より男子』も初回ここまでいくとは思っていませんでした。一般には知名度低い井上真央主演ですが代表作『キッズウォー』を見ていた子どもたちが高校生になって視聴者層はぴったりなのと、原作の知名度が高いという二点が予想以上に効いています。そしてこれもコミックの原作に忠実でわかりやすいドラマです。第2話以降で好調をキープできるかが注目。道明寺の姉・椿役として松嶋菜々子がサプライズ特別出演というのは効果があるのか?こちらは想定内で好調『熟年離婚』『大奥』『鬼嫁日記』『熟年離婚』はタイトルから予想されるようなストーリーを展開。仕事人間で家には金だけ入れていた夫とそれをガマンしていた妻という図式は、田村正和・黒木瞳の『夫婦。』とかNHK夜ドラでやってる『理想の生活』とか似たようなドラマはたくさんあるのに、特に好調なのは渡哲也の魅力でしょうか。渡哲也も数年前まで「弟の渡瀬恒彦は幅広い役をこなしているのに石原プロにしばられていて残念」状態でしたが、石原プロが『弟』のあとアクション路線から離れたことにより、ここにきて花開きました。『大奥~華の乱』は初回視聴率との差が最大ですが、これは初回の裏番組が「細木数子」だったから。内容的には『大奥』やってますという感じ?でこのまま安定していくでしょう。ただ見た目の綺麗さは前作に比べてもうひとつ。特に細面の女優さんが欲しいという気はします。『鬼嫁日記』もいいところにはいますが、期待ほどには伸びがない。これはヒロイン・早苗(観月ありさ)の鬼嫁さを旦那の一馬(ゴリ)がなんだかんだいっても愛しているから成り立つ設定のはずなのに、ドラマ中で早苗の魅力が伝わってこないのが問題でしょう。『ナースのお仕事』ではヒロインが破天荒でも魅力があったからよかったんだけど。軌道修正要です。12次のページへ