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赤いシリーズ2005『赤い疑惑』放送 冬ソナ+牡丹と薔薇=大映テレビ

韓流ドラマの流行や山口百恵のトリビュートからついに赤いシリーズをリメイク!ただし大映テレビじゃなくてホリプロが制作を主導しているんですよね。往事の雰囲気は再現されるのか?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

月9を初めとした民放・夜の連ドラが低迷する今、むしろ『真珠夫人』『牡丹と薔薇』などドロドロ展開の東海テレビ昼ドラや濃厚で感情をむき出しにしてくる韓国ドラマなど非主流派ドラマの方が勢いがあります。

しかし、ガイドに限らず昔からテレビドラマを見ている人は知っているはずです。「ドロドロで感情むき出し、そんなドラマなら昔からあるじゃないか」。そう、それが大映テレビです。

そんな流れから
・6月:スカパー!のTBSチャンネルで「大映テレビドラマ第1話全部見せます!!」企画を展開
・9月:『スクール★ウォーズ』映画版公開
・11月~:大映テレビ80年代の代表作がDVD化(下表)


タイトル発売日
スチュワーデス物語11/17
花嫁衣装は誰が着る11/17
不良少女と呼ばれて12/15
アリエスの乙女たち12/15
少女に何が起こったか1/1
乳姉妹1/1
ヤヌスの鏡1/1
スタア誕生2/2
ポニーテールは振り向かない2/2

と再評価機運が高まっています。

特に9タイトルのDVD化は、現時点で発売されている大映テレビ作品は赤シリーズの山口百恵主演作品と『噂の刑事トミーとマツ』そして『スクール★ウォーズ』だけなのでうれしいですね。

それでは大映テレビドラマとはどういうものなのか、歴史から振り返ってみましょう。

「赤シリーズ」で大映テレビスタイルを確立

大映テレビがコテコテドロドロなドラマを造るようになったのは伝説のアイドル・山口百恵との出会いから。

宇津井健・山口百恵が親娘役で初共演した『顔で笑って』はまだ普通のホームドラマ。これをつくりながら山口百恵のどことなく陰のある雰囲気を見て「不幸な少女を演じさせれば絶対にはまる」として制作されたのが74年の赤シリーズ第1作『赤い迷路』です。

アメリカから帰国した精神科医・結城(宇津井)の歓迎パーティの夜、彼の妻は何者かに脅迫され行方不明になり、ラブホテルで殺されて発見される。結城は犯人をつきとめようと奔走するが、その裏では娘(山口)の出生の秘密が隠されており、さらにノイローゼの実母(長山藍子)がいた…

と、血の関係が入り乱る複雑で波瀾万丈なサスペンスドラマを展開し大ヒットしたのでした。

これで「赤シリーズ」が始まり、次の『赤い疑惑』は宇津井・山口コンビで白血病という難病ものに三浦友和が恋人役として加わり純愛要素を加えてきます。(思えば29年後の今、三浦友和は白血病の娘の父を演じています)

放射線医学専攻の助教授(宇津井)の娘(山口)が病院の事故で放射線を浴び白血病に。さらに実父は恋人(三浦)の父(長門裕之)であるという出生の秘密が明らかになり、異母兄妹との恋愛に悩む…

第三作『赤い運命』では検事・吉野(宇津井)と直子(山口)は実の親子だけど、伊勢湾台風で別れ別れになり、再会した時には身元を証明するものが入れ替わって殺人犯の島崎(三国連太郎)とその娘(秋野暢子)と互い違いに親子と思ってしまう…とどんどん設定はエスカレートしていき大映テレビのスタイルが完成したのでした。

黄金時代を謳歌していた大映テレビですが、次々とエスカレートする設定もやがて限界がきて飽きられてしまいます。また山口百恵もスーパーアイドルになるとともに赤シリーズに連続して出るのは難しくなり、『赤い嵐』の演技が想像を越えていた能勢慶子、『赤い魂』の浜田朱里では盛り上がらず、80年の山口百恵引退記念の単発『赤い死線』で赤シリーズは終了します。

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