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いのち短し『もっと恋セヨ乙女』

若い女性が主人公のロマコメが好評のNHK夜ドラ、この基本パターンをつくった『恋セヨ乙女』が「もっと」おもしろくなり再登場!

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

NHK総合、月~木23時の夜ドラといえば『ロッカーのハナコさん』『女神の恋』など若い女性が主人公のロマコメで人気の枠です。

しかし最初からそうだったわけではなく2年前の02年、夜ドラが始まった時の第一作はシドニィ・シェルダン原作の『真夜中は別の顔』。NHKがたまーにつくるわけのわからん翻案サスペンスでこの枠どうなるんだろう?前途がものすごく不安でしたが、それを立て直して夜ドラの基本線を確立したのが二作目の『恋セヨ乙女』です。

天野幸子(真中瞳)は明るくなにごとにも一生懸命な26で、西新宿に三代続く米屋兼おにぎり屋の長女。食品会社オタカラでおつまみの研究開発に活躍するかたわら、おにぎり屋を手伝い、母を亡くしているため、父(小野武彦)、妹(山口あゆみ)に対して主婦代わりもする忙しい日々。楽しみといえば「サロン」と呼んでいる閉店後のコメ屋で毎晩、高校の同級生・奈々子(佐藤藍子)と後輩・比奈子(酒井若菜)の女三人での本音トーク。
家と会社の往復で恋愛のチャンスのない幸子だったが、ラーメン屋で味の好みがピッタリで、かつ自分の会社の新しい取引先担当・倉沢(筧利夫)に出会い恋に落ちる。しかし恋が盛り上がったところで、倉沢の部屋にある「あるもの」をきっかけにふ~っと風が吹いて恋がさめてしまう…
さらに脱サラして米作りにかける萩原(吉沢悠)、陰のある中年男・澤田(寺島進)、浪人生の富樫(塚本高史)と続けざまに恋におちて、そしてまたふ~っと風が吹いての繰り返し。幸子の幸はどこにある?


脚本の岡田惠和をはじめ『ちゅらさん』のスタッフが結集し、勢いでドラマを進行させながら恋、仕事、友情、家族の大切さを描くテイストは共通しています。キャストでも佐藤藍子、シニカルな妹に山口あゆみ 、近所にすむ沖縄出身のおばあ・平良とみ と『ちゅらさん』を思い出させるキャラとして登場します。

ヒロインの真中瞳、ニュースステーションのお天気お姉さんのころはどうとも思わなかったのですが、このドラマをみているとヒロインと一体化してとっても魅力的です。

脇役でいいのは酒井若菜。新婚ホヤホヤで超ラブラブ状態で、幸子と奈々子に恋愛や男性の素晴らしさをいい続ける、天然ボケキャラでちょっとデビルが入っているキャラがはまり、これと同じく02年の『木更津キャッツアイ』のモー子で一気に注目されました。

ストーリーとしては粗いところもありましたが、幸子を中心とした会話がそれぞれにおもしろく、ノリで楽しむ脱力系ドラマ?というところでしょうか。好みはわかれるかもしれませんが、ガイドはとっても好きな作品です。
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