テレビ局は視聴率で稼ぐ
業界用語だった視聴率が、世間一般にいわれるようになったのは80年代のフジテレビからです。それまでの民放は1,2位を日本テレビとTBSが争い、フジテレビは3番手でした。
キャッチフレーズも「母と子のフジテレビ」とおとなしいものでしが、80年代初めにそこからの脱却を狙い、「おもしろくなければテレビではない」を掲げ、マンザイブームや『おれたちひょうきん族』などのバラエティでヒットを連発、自らがトップに立ったことを誇示するために視聴率三冠王と言い出したあたりからです。
視聴率三冠王とは放送局全体の視聴率指標として全日(一日中)、ゴールデンタイム(19~22時)、プライムタイム(19~23時)の平均値があり、それらを他の放送局を上回ったものをそうよんでます。
80年代はフジテレビの時代でしたが、90年代には日本テレビが逆転、日本テレビはノンプライムタイム(6~19時,23~24時)も加えて9年連続の4冠王といっています。『ズームイン』など朝から強い日本テレビところです。
ただ日本テレビが視聴率は高いのですが、CM放送料の単価はフジテレビの方が高いといわれています。これは個人視聴率との関係。ドラマが強いフジテレビは若い女性がたくさんみていて、それがスポンサーにとって魅力があるためです。
また視聴率にこだわったため、視聴率のためにはなにをしてもいいという考え方になり、今回の事件もその結果だといわれています。
この事件をきっかけにして視聴率至上主義を考え直そう、という意見も多くなっています。視聴率が唯一の客観的テレビ番組の評価指標とされていましたが、信頼が崩れた今、考え直すチャンスです。
利益を追うだけでなく事業活動を通じて社会に貢献しなければならない、という最近の企業理念の主流をテレビ局も考える必要があるでしょう。
ただスポンサーがCM放送料の引き下げ交渉の材料に使われるだけ、という気がしないでもないのですが…
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