『精霊流し』の銀河テレビ小説DNAはスタッフからきています。近藤晋プロデューサはNHK出身の大ベテラン、銀河テレビ小説も最初の『楡家の人々』からスタッフとして参加し、21時40分枠に移行した第一作『お元気ですか』(平岩弓枝脚本)ではプロデューサに昇格。現在は東北新社クリエイツ社長として『永遠の仔』『天国への階段』など骨太な作品を制作しています。
脚本の市川森一の作風は自薦シナリオ作品集三部作によく出ています。「センチメンタルドラマ集」「メランコリックドラマ集」そして「ノスタルジックドラマ集」(映人社刊)。
森本レオ、下条アトム、岸部シローの名前がカタカナの俳優ばかりの哀切に満ちた60年代青春もの『黄色い涙』や歌手志望の青年・尾藤イサオとぶどう園を手放し上京した父・花沢徳衛を描く『幻のぶどう園』といった銀河テレビ小説の作品、そして今回の『精霊流し』のどれにもあてはまるキーワードです。
『精霊ながし』第1週は、家が没落しながらもバイオリンの英才教育を受けてきた主人公・櫻井雅彦が、どうしても越えられないライバルの出現に才能の限界を感じ、バイオリニストへの夢を捨てるまでを描きます。
主人公の子役、東海孝之助(『平成夫婦茶碗』『ウルトラマンコスモス』映画版など)はバイオリン少年という感じが出てきましたが、坂口憲二に変わったところで日本中から「バイオリンばかり弾いてたのに、いい筋肉つきすぎ!」というツッコミが入りました。
記者会見での坂口憲二によると「なぜオレに結びつくのかと思った。でも脚本を読むと、主人公は熱い体育会系。」ということで、どう体育会系なのか楽しみに見ていきましょう。
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