4月から始まったNHK23時からの夜の連続ドラマ「夜ドラ枠」。
第一作『真夜中は別の顔』はなんか変わったサスペンスでズッコケさせられましたが、『恋セヨ乙女』『ロッカーの花子さん』『お見合い放浪記』と女性が主人公のライトコメディで統一され、カラーが固まったかに見えました。
しかし『精霊流し~あなたを忘れない』は、さだまさしの自伝的小説が原作の憂愁に満ちた70年代青春ドラマ。ずいぶん雰囲気が違います。
しかし見ているとなんか見たことがあるような。なんだろうと考えると昔の「銀河テレビ小説」の復活なんだ、と気がつきました。
「銀河テレビ小説」はNHKがニュースの狭間につくってきた歴史があり、1972年に22時からの15分枠として『楡家の人々』(北杜夫原作)で始まり、74年から「ニュースセンター9時」の後の21時40分からの20分枠に移行、89年には当時のNHKがニュース重視に傾いたため終了。
しかし93年に「ドラマ新銀河」として復活、98年まで続きます。
この「銀河テレビ小説」、最初は文芸作品のドラマ化をメインに企画され、後にオリジナル脚本が増えていきますが落ち着いた雰囲気を残し、また毎日15~20分放送とことから同時間の連続ドラマのように大向こうウケを狙わなくてもいい、というところに特徴があります
たとえば、現在の月曜ドラマシリーズ『名古屋仏壇物語』に出演中のNHK名古屋のエース・山田昌。初主演は銀河テレビ小説81年の『祈願満願』。それまでは『中学生日記』のお母さん役で顔は知っていましたが、いきなりそれが21時台のドラマの主演だからひっくりかえりました。
本人も「共演の柳生博さんのところにはロケでサインを求めて大人気なのに、わたしのところにはだれもこず、今に見ていろドラマが放送されれば、と思ってました」ということです。そりゃそうだ。