テレビドラマは作り方で大きくふたつに分けられます。フィルムで撮影する“テレビ映画”とビデオで収録する“ビデオドラマ”です。視聴者にとっての主な違いは見た目で、テレビ映画はざらざらした画面で、ビデオドラマはクリアな感じですね。


テレビ映画は東映などの映画系の制作会社がそのノウハウをいかしてつくってきたもの、ビデオドラマはテレビ独自に発展させたものです。以前はこのふたつが並立していましたが、近年はテレビ映画がビデオドラマに押されています。


転換点になったのは大映映画の流れをくむ大映テレビが87年の『プロゴルファー祈子』からビデオドラマになったあたりでしょうか。その後、2時間ドラマでテレビ映画比率が減っていき、『はぐれ刑事』など刑事ものはほとんどビデオドラマ化、時代劇でも『水戸黄門』がビデオドラマに変わっていきました。


テレビ映画がビデオドラマに負けている原因はコストにあります。家庭用の8mmフィルムとビデオカメラを比べればわかるように機材の値段や編集の手間など、ビデオドラマが安上がりにできます。


それではすべてがビデオドラマがいいかというとそんなことはない、問題は画面がクリアに見えすぎて嘘を許しにくいことにあります。大映テレビは『赤シリーズ』や『スチュワーデス物語』など大げさな設定のドラマを得意としていましたが、ビデオドラマ化後は嘘っぽく見え、スベりがちです。


時代劇でも同じことがいえ『暴れん坊将軍』は1シリーズだけビデオドラマ化しましたが、「これはいかん」と思ったようでテレビ映画に戻りました。


時代劇を中心に孤塁を守っているテレビ映画ですが、最近動きがありました。ハイビジョンです。東映もNHKと組み98年に『蒲生亭事件』でトライ。そして2000年、ビデオドラマ化が難しかった変身ヒーローものを『仮面ライダークウガ』でハイビジョン撮影を成功させました。テレビ映画もビデオドラマも最終的にはハイビジョンに統合されるのかもしれません。



『オードリー』の最終回でも、映画にこだわる杉本社長と結局テレビモニターで見られることが多いからビデオドラマでも同じだとする佐々木美月監督の意見が分かれていました。


NHKは昔から時代劇をビデオドラマで作って何の問題もないんだから、要は作り方だと思います。ただ『水戸黄門』では佐野黄門の途中から同じ内容のままビデオドラマに変えたので違和感が強かった。今度の石坂黄門のように内容をガラッと変えて、あわせてビデオドラマ化すれば受け入れられるでしょう。


個人的にはビデオドラマ、テレビ映画、ハイビジョンなど、ドラマの内容に合わせていろいろな映像表現を見てみたいと思ってます。

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