ものより心。成長には人との関わりが重要
(上)話題のベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をテーマにしたコーディネート (中)食材も食器も色を賑やかに。華やかな食卓は気分も一緒に華やぎます (下)テーマは「漆器で中華!」。意外な組み合わせの遊び心も食卓を楽しくする秘訣ですね |
そんな豊かさを育てる馬場さんの秘訣は、「色を楽しく」ということを食卓に取り入れること。「テーマにあわせて、目で楽しみ、舌で楽しみ」とイメージして料理を作ったり、食器を選んだりしてみること。作る側も楽しく、食べる側も「今日のご飯はどんなだろう?」とワクワクするようになります。
旬の食材をテーマにして食材やそれに関わる歳時記を話題にしてみたりするのもGOOD!馬場さんのように『ダ・ヴィンチ・コード』といったベストセラーをテーマにするのも、お子さんに文化的な興味を持たせてあげることができます。このように何か一つ、食卓で話すトピックをお母さんが用意してあげることが団欒の時間が楽しくなる方法です。
さらには、「成長には人との関わりが大事」いうこともおっしゃっていました。人と人、その多様性に子どもの身を置いてしまう。子どもは多様性の中で磨かれ成長する。この信念を持って育てれば、人として魅力溢れる大人になるということを、改めて痛感…。
そうはいってもお父さんの帰りが遅かったり、核家族化で大勢で食事というのが難しいという家庭もあると思います。そこで、お友達の家族と一緒に食事を作りながらのホームパーティを開いてみるとか。誰かのおうちに集まって、子どもも一緒に簡単なお菓子を作るティーパーティでもいいのです。
例えば、カステラを使ったデザート。1cm幅に切ったカステラを型で抜いてアイスクリームをのせてチョコレートソースをかけるだけ。アラザンやチョコスプレーなどトッピングをいくつか用意してあげても楽しいですね。全て市販のもので用意できますから準備は簡単。自分で作るのと、買ってくるのでは感動の桁が違います。ハンバーグのタネだけ作っておいて、みんなでハンバーグを作るのもあり。
子どもにお手伝いの役割をあげることで、食への興味と社会性を一緒に身につけさせてあげることができます。大勢でわいわい食べることで、「食事における団欒の楽しさ」も経験できますね。
困ったときは助け合う。母親間で軌道修正
「20年以上通う理由は、馬場先生の人柄の魅力!」とみなさん、口を揃えて言っていました。母娘でレシピを愛用していることも |
主宰の平日の料理教室はご近所さんや友人が多く、そこでは子どもを預けたり、預かたったりといった助け合いが自然発生。そんな環境の中で、母親同士が仲良くなっていき、子育ての方針や考えを話すことでお互いに軌道修正。時に不安なことがあればお互いに解消して励ましあう。そんなコミュニティ、みなさんはお持ちでしょうか?
平凡であることの大切さ
最後に、馬場さんの教室に来ている方々にひとつ質問を。そこに来ているお母さんは「手作りの食事」にこだわって子育てを実践しています。お子さんもすでに成人しています。「手作りの食事で子育てをしてきて良かったと思うことは?」と尋ねると、「子どもが健やかに育ったことかしら」
とお母さんのひとりが答えてくれました。この言葉に、その場にいらっしゃる方は深く頷いていました。
「健やかに育つ」ことは当たり前のことのように思いますが、実は一番大変で大事なこと。馬場さんの、「子育てとは、華美だったり、派手だったりしないのよ。毎日が平凡なことの繰り返しだけれども、この平凡であることを続けることがとても大事なことなの。この平凡であるということの大切さをぜひ、今の若いお母さんにわかってもらえたらいいですね」という言葉は、心の底から響きます。
お子さんは家を出て、「自分の受けてきた教育は正しかったと思う」と馬場さんに言ったそうです。食を中心に子育てを大切にしてきた馬場さんの成果がこの言葉に現れれていますね。
皆さんも食を中心としたコミュニケーション、始めてみませんか?
<関連リンク>
楽患ねっと
中條高徳公式ホームページ