子供のしつけ/子供のしつけ関連情報

虐待?知らん顔していていいのかな?(2ページ目)

あんな行為は児童虐待では?と周りが心配していていても、当事者には虐待している意識が無い場合があります。気になる子どもを見かけたら虐待防止のために誰にでも通報の義務があることをご存知ですか?

執筆者:鈴木 牧子


「虐待の連鎖」を断ち切ろう

代オレンジリボンに電話をする女性
「虐待しているように見える家庭があるのですが、調査してください」その勇気が子どもを救う
虐待をしている保護者も子ども時代に虐待を受けた経験があるという報告があります。平成17年度東京都福祉保険局の調査によると虐待をしている内訳は、実母63.3%実父21.6%となっています。虐待をする親たちの多くは、自分自身もたたかれて育った人、放置されて育った人、愛されずに育った人であるために、怒り方やたたき方は知っていても、ほめ方や抱き方や愛し方がわからないのです。

これが「虐待の連鎖」の要因であるとされています。この悪循環の連鎖を断ち切り親が変わるために地域社会で親と子どもを支えていくことが、地域の重要な役割です。親が変わる為には、経済的不安、社会的な不安や制度上の不備、心理的不安などさまざまな要因が絡み合っています。

児童の虐待防止において大切なことは、発見・通報・介入・保護がすみやかに行われることが理想ですが、現実はまだまだ不備な点が多いのが現状です。日本は虐待発見時の通報には責任罰則がなく「努力義務」でしかないため諸外国と比べて遅れをとっていると言えます。

虐待としつけの違い

無意識に子どもにしている行為が、虐待になっている場合があります。そこで正しく虐待についての理解を深めることが児童虐待予防につながります。子ども虐待の定義は以下の4つです
■身体的虐待
■性的虐待
■ネグレクト
■心理的虐待
しかしこの定義が明らかになっても、なお、子ども虐待とはなんぞや、と考えさせられる場面があります。それは、虐待としつけの違いについてです。

虐待としつけ。この二者間には、しっかりと線引きできないグレイゾーンが存在します。が、多数の事例に関わってきた福祉、保健関係者や精神科医、小児科医などが言うように「子どもが耐え難い苦痛を感じることであれば、それは虐待である」と考えるべきだと思います。

保護者が子どものためだと考えていても、過剰な教育や厳しいしつけによって子どもの心や体の発達が阻害されるほどであれば、あくまで子どもの側に立って判断し、虐待と捉えるべきでしょう。
多くのケースでは、保護者が子育てに苦労されている現実がありますから、その気持ちを大事に考えることも大切です。オレンジリボン運動公式サイト「子ども虐待防止 オレンジリボン運動」/あなたにできることより

【関連記事】
母が娘を8年監禁!? 事件に学ぶ児童虐待(All About育児の基礎知識)

児童虐待関連情報(All About記事一覧)

【関連リンク】
子ども虐待防止センター(子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を援助するために設立された民間の団体です。 虐待から子どもを守り、親への支援を行っています。)

子ども虐待ガーディアンNHK「おはよう日本」での紹介“児童虐待を防止するために市民は何をしたらよいのか”ということについて学習するためのソフトを開発している会社として紹介。



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