文章:谷口 賢晋(All About「子育ての悩み相談」旧ガイド)
子供部屋はいつ用意する?
Q:近所のお友達と話しているとき、「子供部屋をそろそろ用意しようかと思っていて……」と話題に出ました。来年、小学1年生になる我が子に部屋を与えて、親の管理が行き届かなくなるのがとても不安です。いつかは子供部屋を用意しようとは思っているのですが……。逆に、子供の自立心や責任感を育てるためには早めに与えたほうがいいのではないか、という思いもあります。いったい、どんなタイミングで任せるのがいいのでしょうか?
子供の成長と親の成長にあわせて
子供部屋はいつから用意するのがいい? |
子供の成長と親の成長、その両方によって子供の行動範囲を広げていくのが、心理的に健全さを保つ秘訣だと思います。子供がどんなことを考えているのか、どんなことをやっているのかは、少しずつ学んでいかなければいけません。1人目の子供を育てる親は、誰でも子育て初心者です。子供の責任も大切ですが、親の責任も大切です。行動が把握できなくなる子供部屋を早急に与えてしまうことは、あまりいい影響があるとは思えません。
たとえば極端なことを言ってしまうと、会社を経営したことがないのに、社員を100人集めて起業することは難しいと思います。いきなり、100人すべてシステムを管理したり運営したりということは簡単ではありません。いきなり100人分の料理をつくりながらお客さんのことも注意を払いなさい、といわれると難しいのではないでしょうか?
私はセミナーの講師もしていますが、セミナー講師をトレーニングすることもあります。新任講師に100人の前でプレゼンテーションさせても混乱するばかりで、セミナーが無事に終わったとしても継続して満足してもらうのはほとんど不可能です。ですから、責任を分割して小さなことから任せるということが大切になります。
リビングの一角を子供のスペースにする
たとえば、小学校に入学したてのころは、リビングの一角を子供のスペースにするということができます。ここで重要なことは、たとえリビングの一角という小さなスペースであっても、子供のスペースだということを、しっかりと子供に教えることです。そして、子供自身に整理整頓させることです。子供は、個室をいきなり与えてしまうと、どれだけちらかしていても自分の部屋だから大丈夫だと思いがちです。でも、家族の共同スペースの一角を子供のスペースとすることで、子供自身で整理整頓するという責任感が芽生えます。>> 任せるときは、ハッキリと任せる