リスクコミュケーションの必要性
ガイド:では、学校の中でのリスクコミュケーションとはどのようなことなのですか?赤城さん:ひとことで「共有化」「みんなで相談しようよ」ということです。善意では無理です。学校の教師や周りの人たちがアレルギーを抱える子どもに積極的に関わることが必要なのです。
「アレルギーだから給食当番をはずしてしまう」ということで、仲間に入れない状態がつづけるのか?もしくは、その子のアレルギーの問題をクラス全体で考えて、教師が「今回は手伝うことができるから一緒にしようよ」と声をかけながらすすめていくのか?この程度の判断を他の職員や患者の保護者の方と話し合いながら見つけていきます。
積極的にみんなで問題を考えることができるためにも、事前に多くの人とその子どものもつアレルギーについて「共有」して「相談」することが必要なのです。
「おぼんはかさない」など決めたり、特別扱いをしないという言い訳から「給食当番の牛乳アレルギーの子は飛んだ牛乳ではれた場合のため、手袋をはめるのを必須にする」などがからかいの対象になったりします。その場合、どのように臨機応変に対応すれば子どもが安心してできるかは、その先生の力量にかかってきます。まさに先生の腕次第です。
しかし、このような担任になった先生の良し悪しで決まることだけでなく、もっと学校全体の中で共有し、健やかで、精神的な豊かさをもてるように考えて欲しいです。障害を持つ子どもや糖尿病の子ども、心臓病の子どもたちも同じです。アレルギーの子どもも、その子のアレルギーの特徴をみんなが理解し、学校全体で取り組む方法が必要なのです。これがリスクコミュニケーションの考え方なのです。
学校側と親との連携を保つために
ガイド:具体的には親と学校はどのような方法でリスクコミュケーションの考えを進めたらいいのですか?赤城さん:例えば、アナフィラキシーがつよい場合、どのような方法をとると子どもが健全にあれるかを考えます。間違って食べた時に、救急車を呼ぶまでの時間とか。学校ではすぐに救急車を呼ぶことができない場合には、事前に「○年○組の○ちゃんはアナフィラキシーの危険があるので、こういう症状があった時、すぐに救急車を呼ぶ。こんな対処をする」などをその保護者と話し合い細かく決めておき、それを担任の先生をはじめ、校長、他の学年の先生、保健室の先生、栄養士、調理師、全ての方と共有しておくことが必要です。どの程度まで、その子の管理が必要かを事前に話し合い、入れかえがあった場合にも、記録を残して、情報を伝えていくようにすることが大切です。
これは、規模の小さな保育園では管理が行き届きやすいので実行されている施設がたくさんあります。多くても保育園は、100人前後の人数で管理しやすいからですね。でも、できるだけ小学校でもこのリスクコミュニケーションの考え方を取り入れて欲しいものです。