子供の病気/その他の子供に多い病気

インフルエンザワクチンと初恋の共通点

インフルエンザの予防接種はずいぶん普及してきましたが、「何となく」受けている方も多いのではないでしょうか? ワクチンの原理を理解して頂くためのわかりやすいたとえ話です。

執筆者:長尾 大志


インフルエンザと、その症状が出る理由

Q:インフルエンザの予防接種って、どういう仕組みで効くのでしょうか? 予防接種をうった後にインフルエンザにかかるとも聞きますが、よくわからず不安です。今年、子どもに受けさせようと思っているのですが、そもそも親である私が仕組みをわかってないのもどうかと思いまして……。

インフルエンザを退治するために、いろいろな症状が起こります
インフルエンザを退治するために熱をはじめ、様々な症状が起こります
A:お答えします。インフルエンザの症状として、急に出る38度以上の高熱・頭痛や強いのどの痛み・全身の筋肉痛・体のだるさ・嘔吐や下痢などといったような普通の風邪とは違う強い症状があげられます。まず、これらの症状はなぜ起こるかですが、インフルエンザの症状は、体内に入ってきたウイルスを排除するための身体の反応なのです。

ウイルスは熱に弱い。このため、身体は高熱を出してウイルスを弱らせます。また、気管支や肺・鼻の中に入ったウイルスは痰や鼻水によって身体の外に出て行きます。腸の中のウイルスは、下痢をすることで効率よく排除されるのです。逆にそのぐらい激しいことをしないと、なかなかインフルエンザウイルスはやっつけられないのです。

初めてか、そうでないか

これまでの人生で、すでに感染したことのあるウイルスに再び感染した場合、身体は一度目の感染で効率の良い排除方法を身につけています。ですから、それほど強い症状を起こさなくてもウイルスは排除されて治ってしまうのです。

一方、経験したことのないウイルスが体内に入ると身体は「一体、これは何?」と大あわてです。ウイルスを排除するために、激しい症状が起こります。初めてかそうでないかによって、症状はまるで違うのです。

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