アレルギーとは
Q:初めての赤ちゃんが生まれました。でも、私も夫もアレルギー体質なので、子供が喘息などアレルギーにならないかどうかとても心配です。そういう体質があるかどうか、調べておかなくていいのでしょうか。A:お答えします。アレルギーの病気は、遺伝の要素と環境の要素が合わさって発症します。両親共に何らかのアレルギーがある場合、子供もアレルギー体質を持つ可能性はかなり高いです。
親に似ているのはうれしいものですが… |
人間の体には免疫系という防衛機構が備わっています。これは細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだときに、体を守るために働くのです。免疫系が細菌やウイルスといった微生物と闘うときには、身体にいろいろな症状を起こすことで微生物を排除しようとします。
例えば風邪の時の症状を考えてください。熱が出て、咳・痰が出て、鼻水が出て、時には下痢をする。発熱することで熱に弱い微生物を弱らせます。咳や痰・鼻水は気管支や鼻の粘膜にいる微生物を外へ出す反応です。下痢も腸の粘膜にいる微生物を排除するために起こっているのです。
ところが、本来外敵でも何でもないアレルゲンが体の中に入ったときに免疫系が「これは外敵?」と勘違いして諸症状が起こるのがアレルギー反応です。この反応が起こりやすい人をアレルギー体質、またはアトピー素因があるといいます。
アレルギーの起こり方
アトピー素因がある人が、全員必ずアレルギーを起こすわけではありません。何度も繰り返しアレルゲンに接触することによって、免疫系が「これは敵に違いない」と誤って学習してしまい(この過程を「感作」といいます)、接触したときに症状が出るようになってしまうのがアレルギーです。この場合、「接触」とは、粘膜面などへの接触のことを指します。つまり、アレルゲンを「吸い込む(鼻・のど・気管支の粘膜への接触)」、「食べる(胃腸の粘膜への接触)」、「触る(皮膚への接触)」ことでアレルゲンが体内に入る状態を言います。
何回も何回も接触していてもどうもなかった人が、ある日突然症状が出る、ということもあります。接触する回数が多くなればなるほど、身体が学習する回数も上がり、アレルギーを発症する確率が上がるからです。