子供の病気/とびひ

夏の皮膚トラブル・とびひとは?

夏に多い皮膚の病気、とびひ(伝染性膿痂疹)についてわかりやすく解説。飛び火とも書くこの病気の症状や予防法、治療法について、知っておいたほうが良い知識をご紹介します。

執筆者:長尾 大志


とびひって、どんな病気?

Q:近所の子供の手に水ぶくれができたと思っていたら、すぐにうちの子供の手にも水ぶくれが出来ました。その子のお母さんは「とびひじゃない?」と言っていたのですが、とびひとはいったいどんな病気なのでしょうか?また、家でどのような手当てをすればいいのでしょうか。大人にはうつらないのですか???教えてください…。

A:お答えします。とびひは春から夏にかけて多い皮膚のトラブルで、正式には伝染性膿痂疹と言います。元々あった虫さされや湿疹の部分にブドウ球菌という細菌がついて、炎症が起こり水ぶくれができるものです。水ぶくれが破れるとそこがかさぶたになることもあります。

水ぶくれの中には膿のような黄色いどろっとした液体が入っていて、そこを触った手で身体の他の部分を触ったり、他の子供を触ったりすると水ぶくれが「飛び火」するように新しくできてしまいます。

予防法・治療法は?

夏場はこまめにシャワーを浴びて、皮膚を清潔に!
夏場はこまめにシャワーを浴びて、皮膚を清潔に!
とびひは元々ある虫さされや湿疹を、触ったり掻いたりすることが引き金になります。人間の皮膚には普段から、ブドウ球菌が住んでいます。皮膚を掻いて傷を作るとそこから菌が簡単に侵入して、感染が起こってしまうのです。

ですから普段から皮膚や手を清潔にすることと、子供が皮膚を掻きむしらないように注意する必要があります。夏場汗をかいたらまめにシャワーをさせ、良く手を洗わせます。虫さされや湿疹に対しては早めにかゆみ止めなどの処置をして、掻いたりしないよう良く言って聞かせます。場合によってはガーゼなどで覆うのも一つの方法です。

起こってしまったとびひの治療は細菌を退治する抗生物質を使います。小児科や皮膚科で処置をしてもらいましょう。消毒した後に抗生物質入りの軟膏を塗ります。また、抗生物質を内服することも。

身体の他の部位やよその子供にうつさないよう気を付けます。手当てが終わったらガーゼで覆い、触らないようにします。

注意点は?

きちんと治るまで治療・処置を続けることが大事です。中途で治療をやめてしまうと再発したり、抗生物質が効かない耐性菌がはびこったりして大変なことになります。医師のOKが出るまでは続けて通いましょう。

以上のことに充分気を付けて、夏を楽しみましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>

伝染性膿痂疹(土川内科小児科)

夏に多い皮膚トラブル(Dr.赤ひげ.COM)Dr.赤ひげ.COM >家族の健康>子供の健康>子供の健康SOS>夏に多い子供の病気


>> 夏に多いその他の病気と対処法はこちらから
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