子供の病気/手足口病

夏の風邪 手足口病とは?

夏に多い風邪である手足口病とは何かを、わかりやすく解説。その名の通り手・足・口にブツブツが出る症状の病気で、お風呂、治療・ケア、保育園を休むべきかなど、知っておいた方が良い知識をご紹介します。

執筆者:長尾 大志


手足口病って、どんな病気?

Q:うちの子供の手足にブツブツが出来てきました。近所の医院に連れて行くと、「手足口病」と言われました。何もお薬がでませんでしたが、家に帰ると「口が痛い」と言い出しました。どうしたら良いのか、教えてください…。そもそも、「手足口病」とはどのような病気なのでしょうか?

A:お答えします。手足口病とは夏風邪の一種です。5月から8月頃に流行し、1歳から4歳までの乳幼児がよくかかります。症状は病名の通りで、手・足・口の中に発疹が出来てきます。発疹は水疱(水ぶくれ)になったり、破れたりすることもあります。2~3割の子供が38度以上の発熱を起こします。
手足口病は夏風邪の代表です
手足口病は夏風邪の代表です


口の中の発疹が破れると、刺激のあるものを食べたときなどに痛がるようになります。一方手足の発疹は痛み・かゆみは生じないのが普通ですが、時に軽い痛みを感じることがあるようです。

予防法・治療法は?

手足口病の原因となるのは、コクサッキーA群やエンテロウイルスという何種類かのウイルスです。かかった子供の咳やくしゃみでウイルスが飛び散り、それを他の子供が吸い込んで発病します。また、便の中に排泄されたウイルスが手につき、その手を口に入れて感染することもあります。

原因となっているウイルスに対する薬はないので、手足口病に特定の治療法や予防接種はありません。予防法としては、風邪をひいている子供に近づかないということになりますが、ウイルスは鼻水や便の中に長期間(数週間)出ますから完全に予防するのは難しいのが現状です。

治療は主に口の痛みに対処し、水分を補給する対症療法が中心になります。特に治療しなくても発疹は1週間以内には自然に治ります。

家庭でのケア・対症療法での注意点は?

口の中の発疹が破れると、痛みが生じて食事や水分が摂りにくいことも。あまりかまずに飲み込めるやわらかいものを与えます。また、熱いものや刺激の強いものは避け、味の薄いものを。牛乳・麦茶・みそ汁などで水分を補給します。脱水状態にならないよう、水分の補給を充分に行いましょう。

手足の発疹や水疱に対しては特別にケアは必要ありませんが、水疱がつぶれると細菌に感染しますので患部は清潔にしておきましょう。お風呂はかまいませんが、水疱が破れやすくなりますからあまりこすらないように。

診察を受けるのは、どんなとき??

まれに髄膜炎を起こすことがありますから、高熱・頭痛・痙攣や嘔吐などの症状がある場合にはすぐに受診を。口の痛みが強くて水分がとれない、おしっこの量が少ないときは脱水状態のおそれがありますから、医師の診察を受けて下さい。

手足口病はよくある病気ですが、特に夏は脱水になりやすいので、お母さんが気を付けてあげましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>

手足口病(かのうクリニック)

手足口病(こぐま保育園)

手足口病(土川内科小児科)


>> 夏に多いその他の病気と対処法はこちらから
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