男のこだわりグッズ/文房具・小道具

架空の文具ブランドPENCOを愉しむ(3ページ目)

1本のペンから始まった架空の海外文房具メーカー、PENCO。そのデザイナーである菅原繁氏にお話を伺いながら、文具とデザインと機能と楽しさをブレンドしたPENCOの製品を紹介していきます。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

カッティングマットのデザインを考えた
「オペレーティングマット」A5:525円、A4:735円

PENCO「オペレーティングマット」
右、A5:525円、左、A4:735円(税込)

罫線の色は、写真の青、緑の他、黒とオレンジもある

「グラフィックがカッコいいカッティングマットがないなあと思っていたんです」という菅原さんが考案したのが、この「オペレーティングマット」。タータンや市松、ドットなどの試行錯誤の末にたどり着いたのは、オーソドックスな方眼。といっても、線の太さや色を考えて作られているため、単なる方眼のようで、ちゃんとカッコ良いあたり、良い仕事しているなあと思いました。
罫線の太さや色を吟味した、シンプルだけど使いやすくキレイなマットに仕上がっている

実際、カッティングマットは、あれば便利というか、ちょっとした切り抜きやスクラップなどの作業にはなくてはならないものです。机の隅に常備したいツール でありながら、とても事務機器的なデザインで、積極的に机に置きたいデザインは少ないのです。実際にも売れているそうですし、同じようなことを思っている 人は結構多かったということでしょう。広く使えるA4と、狭い机上スペースでも邪魔にならないA5の2サイズ展開も上手いですね。PENCOのホームペー ジによると、マウスパッド代わりに使う方もいるそうです。

何故かカッコいいと感じる三角スケール
「ドラフティングスケール」630円

PENCO「ドラフティングスケール」各630円(税込)
上が10cm目盛りのタイプ、下が16cm目盛りのタイプ。色は写真の黒、青の他、金、銀、赤、緑、ピンクの7色。

通称「サンスケ」と呼ばれる三角スケールは、製図用の縮尺換算を簡単にするためのツールです。三つの面には、それぞれ実寸、100分の1、600分の1と いったスケールの目盛りが入っていて、縮尺で書かれた図面上の長さを、簡単に測ることが出来る仕掛けです。あれば、確かに便利ですが、それほど普段は使うことがありません。それを、大胆な本体色と文字色の組み合わせやパッケージのデザインで、とても魅力的な製品に仕立てています。

透明な円柱のパッケージは、このままペンケースに入れられる

体温計のようなパッケージがまたカッコよくて(五分で考えたと菅原さんが言っていました)、ノートなどの上に置いたときの三角の安定したフォルムがプロっぽくて、でも色がカラフルだから敷居が低い感じがして、手に取りやすいイメージに仕上げているのがPENCOらしいところです。実際、三角スケール自体 は、実は100円ショップにだって売っているのですが、このスリムなフォルムと色彩だからこそ欲しくなるのだと思うのです。

黒字にピンク、青地に黄色といった、色の組み合わせが独特

アルミ製なので、線を引く定規としても使えますし、長さを測る場合も、ノートの上などでは、押さえやすい三角のボディは普通の定規よりも使いやすいのです。文字色が鮮やかで読みやすいタイプから、目盛りもシックな色になっているタイプまで、趣味に合わせてカラーが選べるのも、この手のプロ用の製図用具に は無いことです。上手いところに目をつけたなあと思いました。

ファイルを仕分けして収納できるクリアファイル
「3ポケットファイル」A4:294円、A5:252円

PENCO「3ポケットファイル」
A4:294円、A5:252円(税込)
デザインが2パターン、色が各4色用意されている

アメリカのモーテルの看板をイメージしたという、独特なデザインのクリアファイルは、中が3つのパートに分かれています。この三つのパートを分ける仕切りと表紙部分の色の重なりが、中に入れるものによって変化するのが、このクリアファイルを使う楽しみになっています。

タブで仕切りを検索できるタイプ。色の濃さでも仕切りの位置が分かる

中仕切りのあるクリアファイルが便利なのは、まあ当然といえば当然で、後は、その仕切りごとの出し入れのしやすさが使い勝手を決めるのですが、この「3ポケットファイル」では、その方法を二種類用意。しかも、その方法の違いがデザインの違いにもなっているのが面白くも、見事なアイディアです。菅原さんが 「紙と格闘しながら作った」とおっしゃっていましたが、その苦労が結実したデザインと機能の融合したファイルだと思います。

曲線の違いで仕切りを検索するタイプ。色の重なり具合が絶妙だ

一つは、表紙に3つのタブが用意されたタイプで、仕様としては標準的ですが、そのタブと仕切りの色が合わせてあり、さらにP字状に色が重なることで、紙をどこかの仕切りに一枚入れたとき、外から、どの仕切りに入っているかが分かるようになっています。もう一つは、仕切りそのものの形が違うタイプ。曲線と色の重なり具合を上手く使って、ファイルの端を手で触るだけで、それぞれの仕切りに入った書類を、素早く取り出すことが出来ます。ちょっと言葉では説明しにくいのですが、要するに、紙のどの部分が露出しているかで、紙が入っている仕切りを区別できるデザインになっているのです。色の重なり具合もとてもキレイです。サイズは、A4とA5、両方用意されています。

次のページでは、菅原さんがこだわって作ったPENCOの「大学ノート」を紹介します

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