機能的で個性的な財布が本当に増えてきた
このガイド記事でも紹介し、ガイド納富が今でも愛用しているエムピウの財布「MILLEFOGLIE」が登場した頃、まだ財布は保守的だったというか、あ る程度決まったスタイルのバリエーションがほとんどでした。だからこそ、財布の用途と構造を一から考え直したエムピウの財布が画期的だったのです。その 後、これもガイド納富愛用のrethinkの「Lim Wallet」が登場した頃から、面白い財布が次々と出てきています。財布は、基本的に入れるものが決まっているため、フォーマットが決まってしまうとマンネリになりやすい反面、使い方を決めてデザイン出来るだけに、アイ ディア次第でいくらでも個性的でいて使いやすいものが作れる可能性があります。また背広に長財布、といったビジネスマンの定番スタイルが、ファッションの カジュアル化とともに崩れてしまったことも、財布のバリエーション化を促進したと言えるかもしれません。
今回、ここ半年ほどの間で、ガイド納富が出会った財布の中で気になったもの、面白いと思ったもの、使ってみたら良かったものを集めてみました。紹介順は、 小さいモノから大きなモノへという順序です。なので、まずは小銭入れから。
PRIMITIVE MODERN
「サイレントコインスティック」3,465円(税込)
PRIMITIVE MODERN「サイレントコインスティック」 3,465円(税込) |
スティックタイプというデザインも新鮮ですが、小銭がポケットの中でチャリンチャリンと音を立てることを、出来るだけ軽減するという機能も珍しい小銭入れ です。まるでキーケースのような外観で、かなりスリムに見えますが、これでちゃんと500円玉も収納できますし、かなり沢山の小銭が入ります。
内側に付いた二つのスナップで容量を調整できる |
音が鳴らないようにする仕組みは、実はとてもシンプルなもの。細長い本体には、中を仕切るスナップが二つ付いていて、それを使うことで、本体の収納量を変 えることが出来るのです。つまり小銭が少ないときは、二つのスナップを留め、少し多いとスナップを一つ、多いときはスナップを外すという感じで使えば、小 銭が小銭入れの中でしっかりとホールドされ、財布の中でチャラチャラと動かないのです。
小銭が少ないときは、スナップを二つ留める |
一見、バカみたいな仕掛けですが、これが財布を閉じた状態でもスナップを留めることが出来るし、確かにジャラジャラと音がしないのは、思った以上に快適 で、これが「使える」機能だと分かります。また、フタ部分が意外に広いので、小銭の出し入れもスムーズ。欲しい小銭を欲しい数だけ取り出すことが出来まし た。
スナップを二つとも外すと、かなり沢山の小銭が収納できる容 量の多さも魅力 |
ポケットへの収まりも良いし、ライターのように胸ポケットにも入れておけるし(その際も、ジャラジャラ音がしないのが重宝します)、シンプルでスタイリッ シュなデザインも良く、持ち歩きたいと思わせる小銭入れだと思います。個人的には、もう少しだけ高級感が欲しいと思うのですが、この切りっ放しの革の気楽 さも、小銭入れという用途を考えると、丁度良いのかもしれません。
ABITAX
「コインパース」2,520円(税込)
ABITAX「コインパース」2,520円(税込) 色は写真のオリーブの他、レッド、オレンジ、ブルー、チャコールグレー、ブラックがあります |
この小銭入れは、かなり前から気になっていたものの、使ってみる機会がなかったものです。なので、今回紹介する財布の中では、一番古いもので、それだけ に、形は伝統的な小銭入れの形状です(いわゆる馬蹄型ですね)。しかし、その伝統的な形状ながら素材をネオプレーン素材にすることで、使い勝手の点で、従 来の小銭入れの常識を破ったものになっていると感じました。
中を開くとこんな感じ。薄いが伸びる素材なので、小銭がたっぷり入る |
まず、ネオプレーン素材の柔らかさとクッション性の高さが、小銭入れにとても合っていることに気がつきました。小銭を入れてもゴツゴツせず、ポケットの中 での肌触りが良い上に、小銭ならではのジャラジャラ音も吸収するのか、かなり静かです。しかも伸縮するため、硬貨がやたら沢山入ります。ガイド納富が入れ てみたのは、30枚ほどですが、まだまだ入りそうでした。
柔らかい素材なので、コインの取り出し時に指で引っ張って伸ばせるのも扱いやすさの要因の一つ |
さらに、素材が軽いので、小銭入れそのものの重さが22グラムしかないのも嬉しいです。ガイド納富は財布をポケットに入れて持ち歩くため、軽いととても助 かるのです。フタの開閉もマグネット式なので、片手で素早く行えます。フタ側に小銭を流して取り出せるのも(これは馬蹄型小銭入れの伝統の機能ですが)や はり便利です。