1位
音を空間的に感じられるクリアな臨場感
シュア「SE310」実売価格28500円
シュア「SE310」実売価格28500円 |
かつて、ガイド記事でシュアの「E5c」を紹介しましたが、あのプロ仕様のイヤホンに比べれば価格は半分の、コンシューマ向けイヤホンが「SE310」です。でも、その音は、プロのステージモニター用に作られた「E5c」の、とにかく輪郭がハッキリしたクリア過ぎるサウンドではなく、もう少し音楽が気持ち良く聴けるようにチューニングされているように感じました。そういう意味では、ガイド納富は価格が2倍以上違うけれど、「SE310」の音の方が好きです。
短いケーブルに延長コードを取り付けるタイプ。この短いケーブルは胸ポケットにプレイヤーを入れたとき最適の長さ |
音がスッキリとした透明な空間に一つ一つ散らばっているような感じなのです。輪郭を際立たせるのではなく、音の粒立ちが良いという感じで、またどこからどの音が聴こえてくるのかがハッキリわかるような空間的なサウンドだと思いました。その一つ一つの音がハッキリ聴こえる感じが、とても気持ち良いのです。イエスの「こわれもの」のような、僅かな歪みが絶妙のアンサンブルを作っているような音楽に、このイヤホンは威力を発揮します。まるで、何故この曲がこういうアレンジになったのかが示されているような音、というとかえって分かりにくいでしょうか。
例によって様々なイヤーパッドが付属する。ポーチは使いやすい大きさだ。 |
また、今回試したイヤホンの中で最も「静かな曲」を聴くのに向いていると思ったのが、この「SE310」でした。クイーンの「預言者の歌」のコーラス部分とか、ツェッペリンの「ノークオーター」のイントロなどを聴くと、その音の周りにある静けさに存在感を感じるのです。それは多分、ノイズが少ない事と、とても遮音性が高い事から来ているのではないかと思うのです。
特に、その「ソフトフォームイヤパッド」と呼ばれる、柔らかでしなやかで、耳への負担が軽いのに、高性能の耳栓のように耳にフィットするイヤーパッドは秀逸で、簡単に耳に差込めるのに、とてつもなく高い遮音性を実現します。この遮音性の高さと耳への負担の軽さは、ガイド納富が知る限り最高です。この装着感はちょっと癖になるほどです。装着感が心地よいから、音も自然に聴こえてきて、音楽に集中出来ます。しかも音は固過ぎず、エッジも立ち過ぎず、でもしっかりとインパクトのある音が鳴ります。ケーブルがやや太く、取り回しが楽とは言えませんが、それも許容範囲内。輪郭を強調している訳でもないのに、ハードロックのリフでさえ、音が一つ一つ聴き分けられるのが、とても心地よいのです。
ガイド納富の「こだわりチェック」
今回、個人的な心地よさを基準に順位を付けましたが、音の良さ、という観点では、それほどの違いはないと思います。どれも出した金額が惜しいとは思わないレベルの音が出ていると思いました。その上でどれを選ぶかとなると、結局好みの違いでしかないと思ったので、具体的な曲名を挙げながらガイド納富の好みで順位を付けてみました。
それにしても、良い音、好きな音で聴く音楽は気持ち良いものです。ガイド納富は、普段、ガイド記事でも紹介したinCoreというイヤホンを使っていて、その音に十分満足しているのですが(今回のランキングに参加させるとしたら「SE310」に次いで2位という感じでしょうか。気に入った音なので、毎日聴いていても飽きません。これが、好みでない音のイヤホンだと、それが客観的には良い音であっても、何となく気持ち良くなく、結局せっかく気晴らしで聴くはずの音楽が、かえってストレスになったりします。これで意外にイヤホン選びというのは精神衛生上大事な事だったりするのです。
<関連リンク>
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・シュア「SE310」の紹介ページ
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・シュア「E5c」のガイド記事「プロ仕様のヘッドホンの実力」はこちら
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