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森が生んだ軽くて強いアタッシュケース

高知の杉材を使ったアタッシュケースとブリーフケースの良いとこ取りのような鞄「monacca」。木製なので、軽く強く使いやすく、収納物もしっかりガード。そんな相棒のような鞄に黒が新登場しました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


ハードケースの魅力と弱点を考えた木の鞄

monacca「monacca+」47,250円(税込)
3月29日よりスタイルストアで20個限定販売

トランクケースやアタッシュケースのような、ハードケースは、大事なものを持ち運ぶ鞄としての信頼性が高いのが魅力です。ゼロハリバートンやリモワのジュラルミン素材を使ったケースが人気なのも、その強靱なボディへの信頼でしょう。実際、カメラマンさんなどは、アルミケースやペリカンのコポリマーポリプロピレン樹脂を使ったケースなどの、とにかく堅牢性の高いケースを使っている方がほとんどです。

ただ、その手のハードケースは、堅牢性が高い分、かなり重く、しかも高価であることが多いのも確かです。中ではペリカンのケースが軽くて比較的安価でガイド納富も大好きなのですが、鞄というよりケースという感じで、やや用途が限定されます。また、普段使いには、ペリカンの防水機能やゼロハリバートンの堅牢性は、ややオーバースペックです。一方で革のアタッシュケースは堅牢性はちょうど良い代わりに、高価だったり、鞄として使いにくいものが多かったりで、これといった決め手に欠ける感じです。

この「monacca」の鞄は、ボディに杉を使うことで、従来のアタッシュケースとブリーフケースの良いとこ取りのような鞄に仕上がっています。とにかく軽くて、中のものはしっかりと守ってくれて、それでいてビジネスにもカジュアルにも使える絶妙なデザイン。富士重工の「LEGACY」やはとバス「フォルテシモ」などのカーデザインからデジタル小物、建築、家具など幅広いプロダクツをデザインしてきた島村卓実が、コンセプトからデザインまで、およそ4年の歳月をかけて作ったという事実が首肯ける完成度です。そのブラックバージョンが登場するわけです。これが相当キレイな仕上がりでした。

鞄としての使いやすさが忘れられていない嬉しさ

機能的で使いやすい内装は帆布製

内装は上の写真の通り。片面に大きなポケットがあり、もう片面には小物が入るポケットやペン挿し、留めベルトつきのポケットなどが配置されています。つまり、中は通常のブリーフケースと同様の機能を持っているわけです。しかも、ポケット類は上質な帆布が使われていて、内容物をしなやかにガードしてくれます。

外装を見ると分かるように、周辺部がカーブしていてスリムな感じに見えるのですが、外装の木の部分を帆布のマチで繋ぐ構造は、実際にモノを入れると、かなり柔軟に厚みに対応(最大8cmくらいの厚さのファイルフォルダーも収納可能)してくれます。各面のポケットだけでなく、鞄の中央部分に直接、折畳み傘やタンブラーなどを入れても、スムーズに開閉できます。モノを詰め込んでも鞄が型くずれせず、スマートなスタイルが維持されるのはハードケースならではの魅力ですね。

ビジネスにもプライベートにも使える大容量

上の写真のように、片面にはA4版のファイルフォルダ(ERGOGRIP4穴スリム)と雑誌、文庫本を入れ、もう片面は万年筆とボールペン、デジカメ(SANYO Xacti C6)、iPod(80GB+サイドワインダー)、A4版のリングノート(クレールフォンティーヌ)と紙資料とモールスキン・ポケットを入れて、中央部分に折畳み傘(totes「チタン・レインフォース・アンブレラ 3段タイプ」)を入れても、まだ余裕です。Appleのノートパソコンである、17インチのパワーブックが楽に入るように設計されているそうですから、ノートPCを持ち歩くのにも最適の大きさなのです。

また、写真を見てもらえば分かると思いますが、ファスナーが二重になっていて、内側のファスナーを閉じれば、鞄を開いた時、途中で止まるようになります。ハードケースの場合、フルオープンが前提になっているタイプが多いのですが、この「monacca」では、ここでもブリーフケースとアタッシュケースの両方の機能を選べるようになっているわけです。これは、想像以上に使いやすく、特にショルダーベルトを付けた時には、この半開き機能が活躍します。

持ちやすさと軽さがアタッシュケースの活用範囲を広げる

革製なのでしなやかで持ちやすいハンドル部分

実際に持ち歩いてみると、このようなコンセプトの鞄は今までに無かったことに気がつきます。本当に軽いのです。重量は約790g。これは、同容量のアルミケースの約半分の重さです。B4ファイルが入る布製のトートバッグとほぼ同じ重さと言うと分かりやすいでしょうか。A4サイズの革のブリーフケースより全然軽いのです。

また、ハンドルが柔らかい革製のものなのですが、これがまた持ちやすいのです。ハードケースには固いハンドルがついているものが多いので、両手が使いたい時は鞄を一度置くしかないのですが、このハンドルなら手首に通して持つことも出来ます。また、柔らかく握りやすいので、持っていて負担が少ないのです。もちろん鞄自体の軽さも、ハンドルの持ちやすさに貢献しています。

革製のストラップも付属している

高知県馬路村産の良質な杉をスライスして貼合せたものをプレス成形したボディは、軽くて頑丈。これを貼り付けたり留め具で留めるのではなく、帆布に縫い付けて作られているのです。表面には撥水塗料が塗られていて雨でも大丈夫。使われている素材は杉の貼合せに使われている接着剤のようなものまで含めて、廃棄時に土に埋められても土壌を汚染することの無い素材を使用しているのだそうです。


ガイド納富の「こだわりチェック」

この「monacca」の鞄は、高知県馬路村の森で、森の木の密集を防ぐために間引かれた「間伐材」を使って作られています。森の維持のために間引かれたモノではあっても、それが良質な木材であることには代わりありません。だからこそ、この鞄は、これだけの高品質なのですね。また、木目がとても美しいのも、元の素材の良さでしょう。ガイド納富が大好きな映画、阪本順治監督の「鉄拳」の冒頭、美しい高知県の森が映し出されるシーンを思い出しました。あの森の杉ならば、このくらいの美しさは当然だろうと思うのです。黒の塗りもとても丁寧で、まるで漆塗りの家具を思わせます。

もちろん、木の鞄ですから傷はつくでしょう。木の鞄ですから使い込むほどに日焼けなどで色も変わっていくでしょう。その経年変化も、この鞄を使う楽しみだと思うのです。特に、このブラックバージョンは、使い込むほどに迫力が出てくるはずです。カジュアルにもビジネスにも使える汎用性の高いデザインも、ハードに使うためのデザインだと言えそうです。必要なものをガガガっと放り込んで、さっと軽快に持って歩く。そんな使い方が似合う、これまでにありそうで無かった、相棒のようなアタッシュケースではないでしょうか。


<関連リンク>

・黒バージョンの「monacca+」は、スタイルストアで20個のみの限定販売

monaccaの公式サイト

monaccaの鞄(ブラックバージョン以外)の購入、デザイナー島村卓実氏のインタビューはアシストオンで


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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