腕時計でも携帯電話でもない、身に着ける時計の選択肢
VESSEL「tempo -time tag-」 |
携帯電話の普及以来、腕時計をする人が随分減ったような気がします。それ以前でも、カメラマンやデザイナー、イラストレーターといった方々には腕時計をしない人が多かったように思います。モノを作る職人さんなどもそうですが、手で作業するにあたって、腕時計というのは結構邪魔なものです。ガイド納富も文章を書く時は腕時計を外す習慣がついています。
一方で、アンティークの腕時計や高級腕時計を愛用している方も、普段は腕時計をしていないことが多いようです。こちらは傷付けないようにといった、大事にしたいからこその理由です。ただ、携帯電話を時間を見るためにだけ取り出すのも、これが面倒くさいことも多く、また、時間を知りたい時に限って、目に付く場所に時計が無いことも多いものです。
このVESSEL社の「tempo -time tag-」は、腕時計に代わる、自由に身に着ける時計としてデザインされたものだそうです。一言で言えば、クリップタイプの時計。しかも、重量はわずか4グラム、サイズもW12×D28×H10mmという、指の先ほどの小ささで、それがクリップになっていますから、本当に、襟先や袖口など、どこにでも装着できてしまいます。
好きなステーショナリを時計付きグッズにしてしまう
「YMSK ペンホルダー」に取り付けてみた |
とにかく、今の時間を表示するというだけのシンプルな時計なので、余分なものが何もありません。あるのは、時計が表示されるディスプレイと、それを好きなところに装着するためのクリップだけです。ということで、ガイド納富は、愛用の「YMSK ペンホルダー」に取り付けて取材などに持って行きました。すると、これが予想以上に便利。取材の時間配分を見るのに、時計は必須なのですが、取材中に腕時計や携帯電話は見難いものです。ところが、これなら自然に時間を確認することが出来ます。
自作モールスキンカバーのペン挿し部分に装着 |
また、ことあるごとに取り出してメモするのに使っているモールスキンにも取り付けてみました。そのままでは取り付けにくいので、自作のモールスキンカバーのペン挿し部分に装着したのですが、これも、予想以上に便利に使えています。机についてのインタビューなどではない、通常の取材には、ペンケースに付ける以上に重宝しました。また、時計付きモールスキンを持っているというのが、何とも楽しいのです。
ノートの場合、ページ押さえとしても使える |
その他、ノートに付けたり、財布に付けたりと、衣服以外にも様々なところに装着できるのが、この「tempo -time tag-」の最大の魅力なのではないでしょうか。ステンレスのボディに文字盤を覆うポリカーボネートという強靱な作りは、壊れる心配もありません。また、カバーの透明度が高く、周囲が銀色なので、通常の液晶表示に比べて、文字がクッキリと見やすいのも嬉しいところです。クリップの方向が違う2個がセットになっているのも細かい配慮です。
ガイド納富の「こだわりチェック」
この「tempo -time tag-」を使っていて、最も感心したのは、どこに付けても浮かない、そのデザインの適応力の高さでした。衣服に付けても、小物に付けても、冬でも夏でも、「tempo -time tag-」は自然にそこに馴染むのです。それを実現するためのサイズであり、素材であり、デザインなのですが、これはそう簡単には実現できないものだと思うのです。
ただ、シンプルなのは良いのですが、バックライトと防水は機能として欲しかったと思います。クリップ部分のステンレスのバネがしっかりしていたり、背面の時計合わせのボタンが押しやすく押されにくく良くできていたりするのを見れば分かるように、耐久性にとても気を遣って作られているだけに、防水は本当に欲しい機能だと思うのです。
それでも、どこでも、何でも時計付きにしてしまうツールというコンセプトは、今までにありそうで無かったもの。何にでも時計が付いている世の中になった今だからこそ、どれを時計として扱うかは自分で決めたい、そんなこだわりが感じられるのが、この「tempo -time tag-」を好きだと思う理由なのでしょう。電池交換は時計屋に持っていく必要があるのですが、それも、こんなに小さいのに、ちゃんと時計なのだなと思わせて好感が持てるのです。
<関連リンク>
・「tempo -time tag-」の購入はスタイルストアでどうぞ
・「tempo -time tag-」の詳細やデザイナーへのインタビューはアシストオンで読めます
・YMSK ペンホルダーの紹介記事はこちら
・ガイド納富自作のモールスキンカバーは、こちらの記事の「ガイド納富のこだわりチェック」で紹介しています