楽しくて、馬鹿馬鹿しいけど、意外に便利なギミックボールペンの世界
昔から、××付きボールペンというのは色々ありました。光るボールペン、伸びるボールペン(指し棒になる奴)といったオーソドックスなものから、時計付きボールペン、電卓付きボールペン、ハサミ内蔵ボールペン、トランシーバー内蔵ボールペンにシャボン玉が出るボールペンというのもありました。
ボールペンという、細長いスティックのような形状が魅力的なのでしょうか。ガイド納富も、子供の頃からペン型のものや、ちょっとした仕掛けがあるペンなどを見るたび、触るたびにワクワクして、手に入れた時は、もう宝物のように大事にしていたものです。そのせいか、文具店などを見ていて、仕掛けやギミックがあるボールペンを見かけると、つい購入してしまいます。
ただし、こういうギミックボールペンは気軽に買えるからこそ面白いと思うので、いくら凄い機能を持っていても何千円もするのでは考えてしまいます(といってもトランシーバー内蔵や光線銃ゲームが出来るパワーペンが出た時は心底欲しいと思ったのですが)。そこで、今回はガイド納富が愛しているギミックペンの中から、今でも買える1000円以下のものの中からベスト5(とりあえず順不同)をご紹介します。これを機に、ギミックペンの楽しさに触れていただけたらと思います。
万年筆のインクが使えるボールペン エルバン「カートリッジ用インクペン」420円(税込)
エルバン「カートリッジ用インクペン」420円(税込)
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万年筆用のカートリッジインクが使えるボールペンです。このタイプはいくつかのメーカーから出ているのですが、このエルバンのものが価格も安いし、スケルトンで中のインクが見えるので気に入っています。カートリッジは、ヨーロッパの標準タイプですので、エルバンはもちろん、リラやペリカンなどのインクが使えます。特にエルバン製のインクカートリッジは色数も豊富ですし、小物好きの心をくすぐる小さな円筒状の缶に入っていてオススメです。
万年筆用のカートリッジを入れて書く
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写真では、ロットリング社のコンバーター(500円)を入れています。これを使えば、各社のボトルタイプのインクが使えるので、本当に自分が好きな色、書き心地のインクが選べるようになります。万年筆用のインクをボールペンのペン先で書く、そのサラッとした書き味は紙の上での滑りが良く、とても軽くペンの動きもスムーズです。この書き味と、インク選びの幅広さがこの値段で手に入るのは、とても嬉しいことでした。
電卓内蔵で630円。ボタンを押すギミックも楽しい アデッソ「ペンカリキュレター」630円(税込)
アデッソ「ペンカリキュレター」630円(税込)
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電卓付きのボールペンというのは時々見かけますが、この低価格で思わず購入してしまいました。しかも、意外に使えるのです。まず、8桁表示の液晶が結構大きくて見やすいのです。また、太さも普通のボールペンと変わらず、いかにも電卓付いてますよー、という感じがしないのも魅力です。
透明のクリップ部分でキーを押すスタイルが使いやすい
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クリップ部分が動いて、クリップの先でボタンを押すというギミックも一見馬鹿馬鹿しいのですが、使ってみると実用的。小さなボタンが思った以上に正確にスムーズに押せます。ちょっとした計算をして、結果をメモして、また計算して、というような作業が意外にも素早く出来るので、ちょっと驚いてしまいました。ただし、ボールペンのリフィルの交換方法や電池の交換方法が分かりません。出来るような感じなのですが、まだ調査中。自己責任でお買い上げ下さい。
世界中の現在時間が分かるアイディアボールペン 「ワールドタイム水性ペン」367円(税込)
「ワールドタイム水性ペン」367円(税込)
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詳細は不明なのですが、どうも韓国で作られているらしい世界中の時刻が分かるボールペンです。使い方は簡単で、軸に世界地図が印刷されているので、そこから、今いる位置を探して、キャップを回してキャップ側に印刷された時刻と合わせるだけ。要するに、時差が経度に対して均一であることを利用したシンプルな仕組みですが、これが手元にあると、かなり便利なのです。
地図上の場所にキャップを回して時間を合わせる
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旅先の友人に電話するのに、時差を思い出すことなく、すぐに現在時刻を知ることが出来るのです。そういうケースがどれだけあるんだ、と思っていたのですが、ペンなので常に手元に置いておけるせいか、結構出番が多いのです。同じ仕掛けのものをパーカーも作っていたらしく、この仕掛け自体のアイディアの見事さがうかがえます。水性ボールペンとしても書き味が良く、軸の太さも手に心地良い名作です。
ポストイットが内蔵された純正のボールペン 住友スリーエム「ポスト・イット フラッグ付きボールペン」367円(税込)
住友スリーエム
「ポスト・イット フラッグ付きボールペン 」 367円(税込) |
ポスト・イットのフラッグは、フィルム素材で破れにくく、半透明だけど文字も書けるので、中々重宝する付箋の一つです。そのフラッグを50枚内蔵したボールペンがあります。一見、ただの太軸のボールペンですが、軸を回すと、中からポスト・イット・フラッグが現れます。この、嬉しくなるようなギミックのペンが、住友スリーエムで販売している純正品だというのが、また嬉しいではありませんか。
取り出しやすく端が持ち上がる芸の細かさ
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しかも、ちゃんと取り出しやすいように端が持ち上がった形でポストイットが現れるのですから、ガイド納富は初めて見た時、そのあまりの丁寧な仕事ぶりに感動さえ覚えました。ただ、付箋は詰め替えることが出来ますが、ペン部分が使い捨てなのはちょっと残念(まあ、この価格なのでしょうがないのですが)。ボールペンだけでなく、蛍光ペンタイプも用意されています。チェック好き必携のペンですね。
二足歩行のロボットが付いたボールペン ミドリ「バグボーイ・ロボ」630円(税込)
ミドリ「バグボーイ・ロボ」630円(税込)
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ミドリのバグボーイと言えば、ボールペンのノック部分にミニカーが付いた製品としてお馴染です(そうか?)。そのミニカー部分が、ゼンマイでのたのたと二足歩行するロボットになったのが、「バグボーイ・ロボ」です。ボールペンの上に、ちょこんとロボットが乗っているというだけでも、かなり和むのですが、これが、ちゃんと腕を振って足踏みするのです。
この小ささが可愛い二足歩行ゼンマイ駆動ロボ
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大人の親指より小さいロボットのサイズが、またグッズ好きの好みを直撃する上に、ロボットをペンから取り外して、机の上を歩かせることも可能。とてもどうでも良いことなのですが、何故か、持っているだけで幸せになってしまうのです。鉄腕アトム以来、ずっと、私たちの友だちであり続けたロボットというものに対する、人間の思い入れは、実はかなり強いのかも知れません。
ガイド納富の「こだわりチェック」
順不同で5つのギミック・ボールペンを紹介してきました。どれもガイド納富が大好きなペン達なのですが、強いて順位を付ければ、以下のような感じになります。
1位「ワールドタイム水性ペン」
2位「バグボーイ・ロボ」
3位「カートリッジ用インクペン」
4位「ポスト・イット フラッグ付きボールペン」
5位「ペンカリキュレター」
1位の「ワールドタイム水性ペン」は、とにかく使えるのです。また旅行好きの方などにプレゼントしても喜ばれます。レトロなデザインもガイド納富の好みです。
2位の「バグボーイ・ロボ」は、何故かネット上で買える店を見つけることが出来ませんでしたが、町の文具屋などでよく見かけます。今回紹介した中で、最も馬鹿馬鹿しいペンですが、合コンで受けるというか、ガイド納富の周りだけの範囲限定ですが、最も女性受けするペンでもありました。
3位の「カートリッジ用インクペン」は、とにかく実用的で、しかも気取らないシンプルなルックスが魅力です。
4位の「ポスト・イット フラッグ付きボールペン」は、本当に丁寧に作ってあって、しかも凄まじく実用的なのに、やけに低価格なのがポイント。
5位の「ペンカリキュレター」は、電卓付きというギミックに留まらず、そのボタンを押すための仕掛けなどの細かいアイディアが、正にギミック・ボールペンの王道という感じです。
まだ、この手の文具は沢山有り、その一つ一つがたまらない魅力に溢れています。また機会があったらご紹介しますので、呆れたりせず、お付き合い下さい。
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