静かな場所を作るヘッドフォン
BOSE 「Quiet Comfort 2」 価格41,790円(税込)
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それ以外の外部の音の遮音方法として、ノイズキャンセラー機能付きヘッドフォンというものがあります。外部の音を、耳に届く前に電気的に消してしまう仕組みを使ったものです。SONYやBOSEなど、一部のメーカーで採用されています。簡単に言えば、外部の音に対して逆位相の音を発して、音を打ち消しあうという仕組みなのですが、その細部の方法はメーカーごとに違うようです。
このBOSEのヘッドフォン「Quiet Comfort 2」も、そのノイズキャンセラー内蔵型のヘッドフォンです。しかし、従来のノイズキャンセラーが、電車の中などの極端に大きな音がする場所で、そのノイズを軽減する、という使用法を想定しているようなのですが「Quiet Comfort 2」が想定しているのは、そういう状況ではないようなのです。
「Quiet Comfort 2」を耳にあててスイッチを入れると、すーっと波が引くように音が消えていきます。その感覚は、まるで周囲の空気まで変わってしまったような感じなのです。つまり、静かな場所でも、さらに静かにしてくれるわけです。
いつまでも聴いていたい空気感が魅力
ケーブルを外して、静かな環境作成ツールとしても使える
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このヘッドフォンは、もしかしたら音楽を聴くためというより、いつでも好きな時に日常の喧騒から離れるための、リラックスツールなのかも知れません。その証拠に、耳に当たる部分のソフトな感覚と、電気回路を内蔵しながら、小さくて軽い本体は、装着していることを忘れるほど、快適さ第一で作られています。
また、ケーブル類は取り外せるので、単に静かな環境に居たいというだけの時は、ヘッドセットを装着するだけでOKです。静かな環境でリラックスして、その上で音楽が欲しくなったら、ケーブルを繋いでiPodなりオーディオなりで音楽を聴く、そんな使い方が相応しいヘッドフォンだと思うのです。
このヘッドフォンを装着した時点で、既に自分は静かな環境にいるわけですから、音楽も音量を上げずに聴くことが出来ます。電車に乗ったまま、静かな曲の細部を静かなまま聴くことが出来るのです。大音量の曲も、音漏れの心配もなく十分な迫力で聴くことが出来ます(しかも、その時のボリュームはいつもの半分程度だったりするので、耳への負担も軽く済みますね)。
実際に聴いてもらえると分かるのですが、その静かさと、静かさが作る空気感の心地よさは中々のものです。本当に、都会の喧騒を離れて森林浴でもしているような、そんなしっとりとした静けさを感じることが出来ます。
ガイド納富の「こだわりチェック」
折り畳んで携帯ケースに収納すれば持ち運びもOK
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本体は170g、バッテリーを入れても200gを切る小型軽量。装着時の抵抗の無さはもちろん、携帯ケースに折り畳んで収納できるので、持ち運びにも苦にならないサイズ。デザインも「大人の男の持ち物」を十分意識した落ち着いたものです。そういう細部のこだわりからも、リラクゼーションツールとしての主張が感じられます。
またガイド納富が試した限りでは、この「Quiet Comfort 2」のような、周囲の雰囲気まで変えてしまうようなノイズキャンセリング機能は他にはありませんでした。そこは20年以上かけてノウハウを蓄積したというBOSEならではの技術なのでしょう。
音質は、かなり素直な感じです。特定の音域を強調することがないので、個人的に好感が持てる音でした。人によっては多少低域の迫力不足を感じるかもしれませんが、臨場感と広がりはかなりのものだと思います。
面白いのは、人の声は結構聞こえるということ。設計上、疲労やストレスの原因になる低周波を主にカットして、安全のために人の話し声の帯域はあまりカットしないようになっているのだそうだ。しかし、その設計こそが、喧騒を離れた空気感を作るポイントなのだと思うのです。
価格が定価で41,790円と高価ですし、また、同じ高額で単に音楽を聴くためならShureの「E5c」の方が音質や音の分解能力などに優れていると思うのですが、「静かになりたい」なら、このヘッドフォンは、今の所、どんな耳栓よりも効果的です。いつでも、どこでも「静けさに包まれる」というのは、現代では凄い贅沢ではないかと思うのです。それを考えれば、価格は妥当と言えるでしょう。
<関連リンク>
・BOSEの公式サイトはこちら
・BOSE「Quiet
Comfort 2」の製品ページはこちら
・All
Aboutの「Quiet Comfort 2」の紹介ページはこちら
・プロミュージシャンの定番 SHURE「E5c」の記事はこちら
・音の周辺の気になるグッズリンク集はこちら