男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

ボーム&メルシエ「ハンプトン」がリモデル

誕生15周年を機に大幅な刷新を図った角形腕時計の「ハンプトン」。現代的に洗練されたデザインに生まれ変わったとはいえ、ブランドが掲げるバリュー・フォー・マネーの方針が貫かれ、品質と価格のバランスが秀逸だ。

執筆者:菅原 茂

上品なセンスが身上

オリジン
ハンプトン クラシック
自動巻き、ステンレススティールケース
25万2000円

スイスの時計メーカーの中でも、1830年創業のボーム&メルシエは、指折りの老舗に名を連ねる存在。1990年代からは、主としてセンスの良いスタイリッシュな腕時計を発表して人気を博すが、それを代表するアイコンを演じてきたのがレクタンギュラーケースの「ハンプトン」シリーズ。ニューヨーク郊外の有名なビーチリゾート地の名を冠したこの「ハンプトン」は、1994年に誕生し、クラシックからレトロフューチャーまで、多彩なスタイルのモデルが発表されてきた。

15周年を迎えてリフレッシュされた「ハンプトンクラシック」のコレクションは、いずれも原点回帰を思わせる端正なデザインが印象的。現代的な感覚でケースのサイズを縦45.5mm×横30mmのXLへと大型化し、文字盤などのディテールにも洗練が加えられているが、その表情に漂うのは、紛れもなく初期のモデルに通じる控えめで上品なセンスである。

M105
ハンプトン クラシック シースルーウィンドウ
自動巻き、ステンレススティールケース
29万9250円

今回は、フルラインナップで展開される多様な新作の中からメンズの3モデルに絞って紹介する。いずれも自動巻きで、コストパフォーマンスの高さは抜群だ。最もシンプルな「ハンプトンクラシック」は、センターセコンドの中3針モデル。シルバー・ギョーシェ文字盤、立体的なアプライド・インデックス、ブルースティール針など、伝統的な意匠を取り入れながら、全体的にモダンな感覚に仕上げられている点が巧み。25万2000円という価格も手に入れやすく、日常的に着けるベーシックな時計として広く活用できる。

シンプルな中3針にひと工夫加えたのが、文字盤の12時位置に半円形の窓からムーブメントの心臓部を担うテンプを露出する「ハンプトンクラシックシースルーウィンドウ」。機械式ムーブメント特有の動きが文字盤から見えるだけでなく、ゴールドのテンプや耐震軸受けに組み込まれたルビーがカラーアクセントを演じていて目を楽しませる。

「ハンプトン クラシック」とは別タイプの自動巻きムーブメントを搭載している点を除けば、ケースや文字盤などの基本仕様は同じだ。価格は29万9250円。ひと味異なる洒落たデザインと機械式の醍醐味が同時に手に入ることを考えれば、かなり買い得だといえる。
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