次世代を担う本格スポーツウォッチ
ヴァルカンの歴史の中で簡単に触れたように、戦後の「クリケット」はまず、シンプルなアラーム付き腕時計に始まり、それからまもなく、ヒマラヤの高山や深海、航空へと活躍の舞台が広がっていった。とりわけ1961年発表の300メートル・ダイバーズ「クリケット・ノーティカル」は画期的なモデルだった。このように、過酷な環境で使えるタフなアラーム腕時計もヴァルカンにとって大きなテーマだった。ヴァルカン「クリケット・ダイバー エクストリーム」。手巻き、インナー式逆回転防止ベゼル。ブラックチタン&ステンレススティール・ケース。100m防水。47万2500円 |
今年発表された「エクストリーム」と名付けられた本格スポーツウォッチの新シリーズも、考えてみればヴァルカンのそんな伝統の現代的な進化に他ならない。ヴァルカン復活の立て役者にして、経営最高責任者のバーナード・フレウリー氏は「未来のコレクションへのステップとしてスポーツウォッチの開発は重要です。伝統と継続性、そこからエクストリーム・コレクションが誕生しました」と話し、それを裏付ける。
ヴァルカン「クリケット・GMT エクストリーム」。手巻き、ワールドタイム機能付き。ブラックチタン&ステンレススティール・ケース。100m防水。63万円 |
モデルは、インナーベゼルを備える100メートル防水のダイバーズ「クリケット・ダイバー エクストリーム」と、世界の時刻がわかる便利なワールドタイム機能を搭載する「クリケット・GMT エクストリーム」の二つ。どちらもブラックチタンとステンレススティールを組み合わせたケースや、ブラックラバーのストラップなど、デザインはどこから見ても最新のスポーツウォッチのスタイルそのものである。ちなみに、レーサーにして登山家としても活躍する片山右京氏がさる6月にマッキンリー登頂を果たした際にも、この「エクストリーム」を着けていたという。今年はまた、初の自動巻きアラーム・ムーブメントも完成し、ますますこの分野の新しいモデルの展開に期待が高まる。
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