機械式腕時計で史上最高の防水機能
名は体を表すではないが、ロレックスの商品名は含蓄があって、なかなかおもしろい。「チェリーニ」のようなドレスウォッチを別として、ここに紹介する最新作はもちろん、スポーツウォッチには必ず「オイスター パーペチュアル」という名が頭に付く。「オイスター」は、貝殻を閉じた牡蠣のように水の浸入を許さない防水ケースを指し、「パーペチュアル」は、持続的に動くムーブメントを指す。つまり「パーペチュアル」は、ゼンマイをいちいち手で巻き上げなくても動く「自動巻き」を意味しているのである。
いまやスポーツウォッチをはじめ広く一般的な時計のスタンダードになっている「防水自動巻き腕時計」を20世紀の早い時期に完成させたロレックスには、先駆者としての誇りがある。
「オイスター パーペチュアル シードゥエラー ディープシー」。自動巻き、COSC認定クロノメーター。ステンレススティール、ケース直径43mm、3900m防水。予価99万8000円・今夏発売予定 |
「オイスター パーペチュアル」は、1950年代に登場したダイバーズウォッチで次の段階へと飛躍的に進化した。潜水さえ可能な時計の誕生だ。
その頃の防水性はようやく100mのレベル。それが200m、300mと高まっていった。ロレックスの「シードゥエラー」、まさしく「海中居住者」というプロフェッショナル・ダイバーズは1220mの防水性を備える機械式としては最強のスペックを備えるモデルであった。であった、と過去形で語るのは、その次世代モデル「オイスター パーペチュアル シードゥエラー ディープシー」が、2008年バーゼルワールドで発表されたからだ。
従来のダイバーズより厚みが増したケース。ドーム型サファイアクリスタルを採用。9時位置に独自のヘリウムバルブを装備 |
ロレックスがこのモデルのために新開発し、特許を取得したリングロックシステムの防水ケース |
また、予価で100万円を切る価格は、高騰が続く最近の状況からすれば、むしろ「安い」という感じさえ受ける。ハイスペックにしてハイコストパフォーマンス。2008年のダントツ時計として注目されるのも当然だろう。
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