男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

21世紀の時計をデザインするロドルフ(2ページ目)

時計は、機構だけでなく、デザインも興味が尽きない。伝統に縛られず、現代の先端的なデザインによって脚光を浴びるロドルフ。研ぎ澄まされた独特の美意識から生まれるその時計が21世紀スタイルをリードする。

執筆者:菅原 茂

2タイムゾーン付きクロノグラフも注目のモデル

インスティンクト クロノ 2タイムゾーン
「インスティンクト・クロノ 180°」の進化バージョンは、2タイムゾーン付き。自動巻き、18Kピンクゴールド。313万9500円(予価)

ロドルフのデザインは、時間表示とクロノグラフの積算計が横一列に3つ並ぶ「インスティンクト・クロノ180°」や4つの独立ダイヤルで4か所の時刻表示を行う「インスティンクト ベーシック フォータイマー」のように、整然とリズミカルに並べられたインダイヤルが非常にユニークだ。今年発表された同シリーズの「インスティンクト・クロノ 2タイムゾーン」もそうした一連の流れを汲む新作である。

文字盤の左端のインダイヤルはデュアルタイム表示、中央と右端がクロノグラフの30分計とスモールセコンドという配置だ。「インスティンクト・クロノ180°」をちょうど180度回転させたようなイメージだ。「インスティンクト・クロノ180°」の場合、自動巻きとクォーツの二つのムーブメントで機能を分担していたのだが、この新作は自動巻きムーブメント一つですべての機能をまかなうのが大きな特徴だ。こう書くのは簡単だが、この横に長く連なるインダイヤルの表示のために歯車の配置を工夫するのは、それなりに大変なのである。これもまた、フランク・ミュラー ウォッチランドグループの高い技術力なくしては実現が難しいモデルといえる。

ロドルフには「インスティンクト」のほかにも「パニナロ」「ミウラ」「サブスタンス」など印象的なコレクションがある。いずれも初めて接すると、まずその大胆かつ斬新なデザインにとにかく圧倒され、好き嫌いがはっきり分かれるだろう。それは、ロドルフの審美的なデザインが旧来のモノサシでは計れないからだ。自分の時計に対する感覚が古いのか新しいのか? じつはそれが試されているのかもしれない。

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