贅沢な造りと抜群のコストパフォーマンス
毎年春になると、スイスで国際的な時計展示会が開催されるが、取材者たちの間でもこのところよく話題にのぼるのが全体的な価格の上昇。「上昇」ではすまなく、「高騰」と形容するほうが実感に近いだろう。一般的なユーザーにとって価格的に近づきやすいモデルが減りつつあるのは、ガイドとしても悩ましい問題である。そこで今回は、そんな状況に朗報ともいえる日本製高級腕時計を紹介する。セイコーから発表されたばかりの「ブライツ フェニックス」である。これは、「セイコー ブライツ」シリーズの最新コレクション。製品は、機械式クロノグラフモデルと、キネティック ダイレクト ドライブの2種類。まずは、前者から紹介しよう。
「セイコー ブライツ フェニックス」、機械式クロノグラフモデル。自動巻き(手巻き付き)、ステンレススティール、42mm。品番SAGH003、27万3000円。他に黒ダイヤル+ステンレススティール・ブレスレットまたはクロコダイルストラップ付きもある
機械式時計の魅力を高めるシースルーバック。左隅にクロノグラフの司令塔を演じる柱状の歯車「ピラーホイール」が見える
新機構が興味深い「キネティック ダイレクト ドライブ」は次ページで